<巨人4-6西武>◇8日◇東京ドーム
巨人沢村を攻略して3連勝だ。西武が、交流戦首位の巨人に競り勝ってパ・リーグ最下位を脱出した。1-1の5回、栗山の犠飛で勝ち越すと、中島裕之内野手(29)が豪快に左中間スタンド上段に2ランを運んだ。昨季は2戦2敗と歯が立たなかった沢村を5回KO。中島は7回に2打席連続となるソロ本塁打を放って突き放した。
忘れかけていた感覚だった。推定飛距離135メートルの特大弾にも、中島は二塁まで駆け足で回った。1点リードの5回1死二塁、沢村のスライダーをジャストミート。「良かったぁ。久しぶりで気持ち良かったです」。通算151本塁打を放ってきた男でも、27試合ぶりの感触は格別だった。ネクストバッターズサークルで迎えた中村に笑顔でガッツポーズ。昨年2敗を喫した沢村に引導を渡す1発だった。
モヤモヤを吹き飛ばすには十分だった。7回、2番手の星野のスライダーを代名詞ともいわれる右方向へ。今季初の2打席連続本塁打を右中間席に運んだ。1回の左二塁打、9回の中前打を含め、今季初の4安打。今季最多タイの14安打を放ったチームを引っ張ったのは、背番号「3」だった。
特大弾を生んだのは、昨オフからの徹底的な肉体改造の成果だった。ポスティングでの大リーグ挑戦を表明後、気持ちが落ち着く日々はなく、無心になるために没頭したのが、ウエートトレーニングだった。「体を鍛えたろうと思って」と笑ったが、シーズン中も継続。4月3日、西武ドームでのロッテ戦が暴風雨で中止になった時も、都内のトレーニング施設に足を運び、黙々と汗を流した。
パワーを生かすためにスイングの微調整にも取り組んだ。数日前から長尺のバットでのティー打撃を開始。「ちょっと(スイングが)小さくなってたから。練習から大きく振ろうと思って」と平然と言ったが、すぐに結果で証明するのが「天才」と称されるゆえんだ。
救援陣が2点差に迫られたが、交流戦首位を走る相手に快勝。オリックスが敗れ、最下位を脱出した。渡辺監督は「しっかり打つべき人が打てば、盛り上がる」と評価。本家“おかわり”のお株を奪う2連発で、王者を倒した。【久保賢吾】
▼中島が2打席連発を含む4安打。中島の1試合2本塁打は昨年5月21日中日戦以来で通算7度目だが、そのうち4度が交流戦。1試合で2打席連発は09年6月21日ヤクルト戦、11年5月21日中日戦に次いで3度目。パ・リーグ同士の試合では943試合に出場して1度も記録したことがない2打席連発を、交流戦では3度マークしている。



