<楽天1-3ヤクルト>◇14日◇Kスタ宮城
ヤクルトバッテリーが楽天打線を翻弄(ほんろう)した。赤川の好投を引き出したのが、同期の中村悠平捕手(21)のリードだった。インサイドの直球を伏線に、外角低めのシンカーの出し入れ。「楽天打線相手に、うまくいきました」と会心のリードだった。
本当は楽天嶋の前でこの姿を見せたかった。今年3月、2軍で開幕を迎えた中村は利府で行われた2軍戦のため、仙台にいた。先輩の宮出に誘われ、嶋としゃぶしゃぶ鍋を囲む機会を持った。この時とばかりに、鍋の湯気の向こうに座る先輩捕手を質問攻めにした。
中村
リードの基本は原点だとか、例えばスライダーに全く合わない打者に何球続けるかとか、いろいろ聞きました。
悔しかった開幕2軍スタートだが、思わぬ財産を手に入れられた。嶋の言う原点とは外角低めに投げる直球のこと。野村克也元監督の教えだった。少し前までのヤクルト選手ならばノートに書き取って持っており、誰もが知っている話。だが、中村は嶋を経由することで教わった。
今季、相川が右足親指を骨折してしまい、1軍でマスクをかぶる機会が増えた。嶋から教わったことはそこでも生きた。「根拠のあるリードをしたい」と心がけた。
野村監督時代を知る宮本からは「野村さんの本を持ってるなら持ち歩け」と、常にリードのことを考えるようアドバイスも受けた。この日のような実戦経験を積み、日々成長する中村。間接的に受けた野村氏の教えが染みつきつつある。【竹内智信】
◆中村悠平(なかむら・ゆうへい)1990年(平2)6月17日、福井県生まれ。小5から捕手一筋で福井商では1年秋から正捕手。2年時の07年夏の甲子園では優勝した佐賀北に初戦敗退。3年時の08年夏の甲子園は2回戦進出。同年ドラフト3位指名でヤクルト入団。09年10月2日、広島戦(神宮)で初出場。今季推定年俸は650万円。176センチ、70キロ。右投げ右打ち。血液型A。



