巨人村田修一内野手(31)が、操作性と飛距離の両方を兼ね備える新バットの製作をスポーツメーカーのミズノに依頼していることが18日までに、分かった。リーグ再開初戦となる22日のヤクルト戦(長野)に間に合うかは微妙だが、今月末には手元に届く予定。交流戦の初優勝に貢献した巨人の4番はセ制覇に向けて、長短両用の“バズーカ砲”という新たな懐刀を加える。

 巨人軍76代4番に座るだけで、満足する男ではなかった。村田は交流戦打率が3割1分1厘と、自身初の交流戦3割超えを達成。先月22日から使用する先端をくりぬいた操作性重視の“懐刀”を手に、9日の西武戦では移籍後初のサヨナラ打も放つなど、交流戦初Vの立役者の1人となった。

 だが現状維持など望んではいない。生粋の本塁打アーチストは、4番の1発がチームにもたらす効果も知っている。「大きいのが打てていない。でも、まだまだインサイドも攻められる。くりぬいたらバットの抜きが良くなりますから、形は同じで重さを戻したものを頼んでいます」。さらに勝利に貢献しようと新バット作製に着手していた。

 依頼しているのは長短両用。現在のバットは、先端をくりぬきバランスを手元に近づけたことで操作性が増し、狙い通りに内角攻めにも対応できる“打ち出の小づち”。だが、重量が約20グラム減ったことで飛距離は減少した。「重くすると飛距離も出ますしね」。飛距離と操作性の両方を手にすべく、先端はくりぬきつつ、重さを従来の930~940グラムに戻したバットを加える。

 22日からのヤクルト3連戦は赤川、村中、石川との対決が有力だ。新バットが届かなくとも、村田は「左3人、インコースに来ますからね」と“打ち出の小づち”を手に不敵に笑った。13日の日本ハム戦で本塁突入時に胸部を強打したこともあって、17日の楽天戦は、大事を取って初めてスタメンを外れた。9回に代打で登場し、試合後は「普通に振れましたね。再開後、また頑張ります」と大暴れを誓った。村田が新たな“バズーカ砲”を携え、秋のリーグ制覇まで快音を響かせる。【浜本卓也】

 ◆巨人村田と長打率

 今季は59試合223打数87塁打で長打率(塁打数÷打数)は3割9分。過去9年は1度も4割を切ったことがなく、統一球が導入された昨年も4割2分3厘だった。46本で2年連続本塁打王となった08年は12球団トップの6割6分5厘と破格の数字をたたき出すなど、横浜時代通算5割6厘の長打率を誇っていただけに、3割台は物足りない数字だ。