<ソフトバンク3-0ロッテ>◇14日◇福岡ヤフードーム
ソフトバンクのドラフト1位・武田翔太投手(19)が、ドラフト制度後では球団初となる高卒新人のデビュー2連勝を飾った。初登場となった本拠地福岡ヤフードームで、ロッテ打線を翻弄(ほんろう)。上から投げ下ろすストレートと縦のスライダーのコンビネーションで、6回を4安打無失点。デビューから12回連続無失点は、ドラフト制後では史上3位タイの快記録だ。低迷が続く先発投手陣に、救世主が現れた。
まさに「救世主」だ。末恐ろしい19歳は、本拠地デビュー戦で初のお立ち台に上がり、満員3万6241人を大胆不敵な言葉でどよめかせた。
武田
今日もいつも通り「上から翔太」で行こうと思った。笑う門には福が来る。常に笑顔でいれば運もついてくるんで。
投球も大胆だった。1回2死一、三塁のピンチでは、首位打者を争っている角中へ1ボール2ストライクから真ん中高めに124キロの縦スライダーを投げ、あぜんとさせた。8奪三振のうち見逃しは4つ。そのすべてが高めの縦スライダーだった。
初勝利を挙げた7日の日本ハム戦は、追い込んでから低めの縦スライダーで空振りを奪った。ロッテが低めの変化球を捨ててきたことを逆手に、「高めのボールからストライクに入る感じで」と、高めから同じ球種を投げ、困惑させた。そうかと思えば、この日最速150キロで根元から空振り三振を奪うなど、力の投球も見せた。
秋山幸二監督(50)も「たいしたもの。持ってるんじゃない」と手放しで喜んだ。確かに“持っている”。この日、スタンドには父重次さん(59)母和子さん(51)、親戚が駆けつけた。前日、親戚に会いに行った広島から福岡へ。住んでいる宮崎からならば、大雨で道路状況が困難なため、球場へ来ることができなかった可能性が高い。「心臓が飛び出しそう」にハラハラ見つめていた父には、札幌の1勝目、母にはこの日のウイニングボールを1球ずつ手渡す親孝行を見せた。
視力は1・5程度あるが、屋外に比べて暗いドーム対策で、捕手のサインが見えやすくなるよう左目だけコンタクトを着用した。この日の投球を大好きな将棋に例え「攻められながらも持ち駒を増やしてどんどん打っていった」と表現した。持ち駒=相手の特長が分かるという意味だ。常に笑顔で冷静に相手を分析しながら投げる19歳。余裕たっぷりな投げっぷりに、大エースになる予感さえしてきた。【石橋隆雄】



