<楽天5-0日本ハム>◇15日◇Kスタ宮城

 タイムリーが出ない、出ない、出ない…。日本ハムは散発4安打で打線のつながりを欠き、今季7度目の完封負けを喫した。15日の楽天戦(Kスタ宮城)は、今季初対戦の4年目左腕・辛島の前に走者を出しながら、5度の得点機にあと1本が出なかった。今3連戦で計3得点と打線が沈黙。特に得点圏打率は7分7厘と深刻な状態に陥った。3位楽天とは再び0・5ゲーム差に詰まった。

 試合後、ダッグアウト裏に姿を消した栗山英樹監督(51)は、すぐに打線が好機で凡退した場面の検証を始めた。「形はつくれているのに、(本塁に)これだけ返せないのも珍しい。何にそんなに苦しんだのかをちょっと見ていた。1点が重くなった」。今季7度目の0封負け。厳しい表情のまま、帰りのバスに乗り込んだ。

 “お膳立て”はできても、フィニッシュがうまくいかない。プレーボール直後の1回の攻撃が、その後の苦難を暗示していた。先頭の田中が左前打で出塁すると、杉谷が犠打を決めて1死二塁の先制機。しかし、糸井が外角のスライダーを打たされて左飛に倒れると、中田はチェンジアップに空振り三振を喫した。

 楽天辛島とは10年に2試合、3回と2/3イニングの対戦があるだけ。田中打撃コーチは「(変化球の)キレがいいから振ってしまう。うまく対応できなかった」。4打数無安打の小谷野も「打者との駆け引きがうまい」と話したように、抜群の制球力で変化球を低めに集められ、翻弄(ほんろう)された。

 相手のミスが出た2回にも1死二塁、5回にも安打と犠打で同じく1死二塁、6回には安打と盗塁で無死二塁の好機をつくったが、それぞれ得点機での1本は出なかった。3位楽天との3連戦に負け越し、ゲーム差は再び0・5。この3連戦は計3得点に終わり、特に得点圏打率は7分7厘と、1割にも届いていない。指揮官は「オレが悪い」と語ったが、各打者も責任を痛感する一戦になった。

 球宴休みまで、残り2試合。今日16日からは、札幌ドームに戻って相手が西武に変わる。栗山監督は「いい流れで(前半戦を)終わりたい。そうなるように頑張る」。混戦パ・リーグで上位をうかがうために、しっかりと2位を守って折り返しを迎えたい。【本間翼】