労組日本プロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)は20日、大阪市内で臨時大会を開き、来年3月に開催予定の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加しない方針を全会一致で決議した。米国が主導権を握る収益配分の不均衡を問題視。1年前から日本代表を支援する企業のスポンサー料を日本側に譲渡することなどを求めてきたが改善されなかったため、不参加を決めた。

 MLBのポール・アーチー副会長(当時は国際ビジネス担当役員)が10年12月8日に来日し、加藤コミッショナーに次回WBCへの参加を要請。また選手会とも意見交換を行った。だが11年10月、日本側が参加表明を遅らせていることに、同副会長は「これからも対話の機会は持つが、準備は進める」と苦言。「開催地が決定し、(日本に代わる)28番目の参加チームが決まった時点で、日本の参加はなくなる」と第1ラウンドは台湾での代替開催も可能だとし、日本側に参加を促した。また第2回大会で約9億円あったとみられる日本のスポンサーやグッズの収入が入らない場合でも、大会は十分運営できるとの見通しを示した。また、すべての収入をWBCIが管理する方法について、かねて「赤字が出た場合のリスクも負っている」などと主張している。