<楽天-ソフトバンク>◇7月31日◇盛岡

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(40)が特大ファウルで30球場制覇弾を“予告”した。雨天中止になった楽天戦(盛岡)の1回1死一、三塁。幻の先制犠飛を放った打席の初球だ。永井の内角高めをとらえた打球はファウルゾーンながら左翼場外へ消えた。「ファウルやったけど、今年一番の当たりと思う」と珍しく手応えを口にした。

 現在の打率2割4分2厘に本人も周囲も納得はしていない。特に7月の月間打率は2割6厘。4月の同3割8厘と比べると大きな下降だ。この1週間は「調子が良くないし、強い打球を打つことを意識して、少し重心を下げている」と新フォームを試行。下半身に安定感を出し、体中から絞りだしたパワーを体の正面でボールにぶつけられる感覚が出てきたのは朗報だ。

 今季は4月7日西武戦での1本塁打だけ。腰痛の影響もあり、全盛期のような飛距離がないのは事実。ただ2000安打を達成した際に「球を遠くに飛ばすこと、本塁打にこだわってきたからここまでこれた」と話したようにアーチへの思いは捨てていない。これまで29球場で本塁打を放ち今日8月1日楽天戦(秋田)は通算30球場目のチャンス。豪快な前触れファウルを盛岡に残し、試合後は急きょ秋田へと移動した。【押谷謙爾】

 ▼小久保がきょう1日、秋田での楽天戦で本塁打を放てば「30球場制覇弾」となる。52年のフランチャイズ制施行後、球場別本塁打は毎日、阪神などでプレーした山内一弘の39球場が最多。現役では阪神金本の33球場がトップで巨人小笠原、中日山崎も30球場制覇を達成している。