<ロッテ0-4オリックス>◇11日◇QVCマリン

 ベンチに投手コーチがいない-。オリックス岡田彰布監督(54)が、異例の強権発動で連敗を「4」で止めた。星野、赤堀の両投手コーチをベンチから外して「後ろの投手がぼこぼこ打たれとるから明日(12日)まで後ろを見ろ」とブルペンに配置。指揮官自ら投手交代を決めた。

 4点リードの6回。先発小松に代わって中山をマウンドに送った。前日10日に逆転打を浴びた左腕に「しっかり狙って腕を振っていけ」とマウンドで声をかけ、ベンチに戻った。「やられっぱなしじゃあな。中山が投げる時はオレが行くって決めていた。1発気合を入れんと。これから一番力にならんといかんところ」。中山が2回無失点で勝利に貢献し「今日の収穫は中山よ」と満足顔だ。

 伏線は前日10日まで3試合で合計29失点の崩壊だった。特に不振の中山について「投手コーチが頭を下げて、再生するから、というから(1軍に)残したが、だまされたよ」と激怒していた。

 ロッテに快勝し、何よりも大量失点を繰り返した投手陣が4試合ぶりの無失点リレーだ。投手コーチのベンチ不在は今日12日までの一時的な措置だが、岡田監督が荒技で勝利を引き寄せた。【益田一弘】

 <岡田監督の強権発動>

 ◆10年6月9日巨人戦

 星野投手コーチが体調不良で休養して、岡田監督が投手コーチ兼任。育成担当の小林コーチをベンチに置いたが、交代判断は「全部やるよ」。

 ◆11年7月16日楽天戦

 福間投手コーチの職権を「剥奪」した。8回に鴨志田から高宮へ交代を告げてマウンドへ。投球練習を見守って、ひと声かけてベンチに戻った。投壊による6連敗に怒っての措置だった。