<西武2-8ソフトバンク>◇22日◇西武ドーム
試合後にソフトバンク小久保裕紀内野手(40)が命名した。「カットしたら入ってしまった打法!」。1-1の6回1死二塁での打席。外角高めの完全なボール球。腰の回転を加えず、手元だけでカットした打球がフワフワと宙を泳いだ。ファウルと思って立ち止まったが、「ワッ、これ入るんと違う?」。予感は的中して右翼線へポトリ。慌てて駆け始めた。
緊迫した場面で、守備に定評のある熊代がワンバウンドした打球を後方にそらすミス。40歳はさらに慌ててギアを上げ、三塁にたどり着くと、肩で息をして座り込んだ。ところが、スコアボードには「H」と「E」のランプがつき、びっくりだ。
「なんであれでエラーつくん!
おれの何年かぶりの三塁打だったのに…。今年でやめんのになあ」。巨人時代の04年以来、8年ぶり三塁打は幻になった。それでも、この一打でチームは勝ち越し。西武菊池をマウンドから降ろし、この回の一挙5点で試合は決まった。
小久保の引退表明から7連勝。不思議と負けない。秋山監督から「ラッキーボーイだな」と声をかけられ、「まだボーイと言ってもらえた」とうれしそうに目を細めた。「チームの流れが出てきたし、欲を出したいね。内川が(けがで)抜けても勢いを失わず戦えている」。首位と1・5ゲーム差。主将・小久保の存在がすべてを好転させている。【押谷謙爾】



