<DeNA4-2阪神>◇28日◇横浜

 敗戦を見届けた横浜のファンが断を下した。引き揚げる三塁ベンチの上から「最下位や!」とヤジが飛んだ。1点差、8回1死二、三塁で平野恵一内野手(33)が中前打!

 同点に追いついたが、三塁を狙った俊介外野手(25)がタッチアウトで反撃ムードはシューン。しかも刺した荒波の守備をほめるしかない猛虎軍…。4ゲーム差のアドバンテージはあるけど、嫌~な予感が漂ってきた。

 「最下位、最下位や!」。試合終了の瞬間、スタンドから阪神ファンの罵声が飛んだ。最下位DeNAに競り負けた。記録に表れないミスが重なっての敗戦は、虎党がひとあし先にテール転落を予言してもおかしくない内容だった。

 勝敗を分けたのは8回の攻防だった。1点を追う攻撃、1死二、三塁から平野がセンター前へライナーを放った。中堅荒波が猛然と突進してきたが、打球はあと少しのところでワンバウンド。これを見て、三塁走者大和が生還した。ところが、二塁走者俊介は1度戻ろうした後に、三塁を狙ってタッチアウト。同点に追いつき、なおも1死一、三塁のはずが2死一塁に…。結局、勝ち越し点は奪えず、その裏に榎田がラミレスに決勝2ランを浴びてしまった。

 「何とか追いついたんだけど、打球判断がね。難しいんだけど(三塁に)行けなかったら、無理して行かんでもいい。代走とか、守備固めでいく選手だから、そこらへんだよね」

 和田豊監督(49)は真っ先に流れを止めてしまった走塁ミスに触れた。同点に追いつきながら、逆転できない。肝心なところでミスが絡むという象徴的なシーンだった。

 「練習するしかない。ゲッツーが一番だめな場面。センターが勝負かけてきたと思って戻ったんですが」

 俊介は反省したが、この打球の判断を難しくして“ミス”を生んだのは相手の守備力でもあった。

 「相手のことをほめるわけじゃないけど、あの守備を見せられたら判断に迷うというのもある。うちは逆にああいうところを見習っていかないといけない」

 関川コーチは言った。確かに荒波は6回平野、7回新井と、ともに安打性の打球を好捕していた。8回も、もしかしたら捕られる…という心理にさせるほどのチャージだった。守りで相手を“攻撃”することができる荒波の守備力。今の阪神にはない武器を見せつけられた。

 まだ、4ゲーム差で5位にいる。ただ、地力の差が出る接戦で敗れた。守備、走塁、記録に表れないミスが積み重なっての負けだった。最下位相手にもがき、そして敗れ去る猛虎が悲しい。【鈴木忠平】