中日白井文吾オーナー(84=中日新聞社会長)が3日、高木守道監督(71)の来季続投を明言した。2年契約の1年目。首位巨人とは8・5ゲーム差あり、球団史上初の3連覇は厳しい状況にある。だが、同オーナーは強い巨人とほぼ互角に戦っての2位で、貯金18の成績を評価。3連覇を逃しても、「予定通り」に来季もタクトを託す。

 竜の総帥が、高木監督の来季続投を約束した。

 白井オーナー

 何か問題ありますか?

 こちらは任せているんだから、予定通りです。本人もやる気でしょう。

 連覇した落合前監督から政権を受け継ぎ、今季が2年契約の1年目。続投が既定路線とはいえ、首位巨人との差は8・5ゲーム差。球団初の3連覇は厳しい状況にある。だが、オーナーの評価は高い。

 白井オーナー

 巨人は強いですよ。私も最初からそう思っとった。だから巨人のオーナーにも今年は強いですよって言っておいたんだ。でも、野球はどうなるか分からん。故障者も多い中で、弱いドラゴンズが随分とやってるじゃないの。

 昨季から大型補強はほとんどしていない。少ない得点を投手力で守る野球で、71歳の12球団最高齢監督が開幕から首位戦線を引っ張った。夏場に息切れして巨人の独走を許したが、それは大型補強したライバルが“強すぎる”から。その巨人との対戦成績は9勝9敗3分けの互角。現在、2位で貯金は18もある。浅尾やブランコら主力の離脱が続出する中でも導いた2強争いが、評価の対象だ。

 ただ、このままあっさりと巨人を優勝させていいのか。残り試合の戦いについてこんな表現で鼓舞した。

 白井オーナー

 私は優勝しろとは一切言ってないし、これまでの監督にも言ったことがない。ただ「全力を尽くせ!」とは言っている。みんな優勝を目指すためにやってるんだから、あえて言う必要はない。まあ、何とかするでしょう。

 オーナーもネバーギブアップだ。可能性のある限り、奇跡を目指せと指令した。高木監督は今季、権藤投手コーチとの70歳バトルや試合途中のサイン放棄など、数々の守道劇場でも盛り上げてきた。熱い守道劇場は13年へと続く。