広島前田健太投手(24)が、WBC出場を熱望した。日本プロ野球選手会が4日、不参加の方針から大会参加を正式に表明。鯉のエースは「目標にしている舞台。経験したい」と目を輝かせた。今季は勝利数と防御率でリーグトップの成績を残し“参加資格”は十分。初のCS進出とともに、国際大会出場という新たな目標が、エースの心と体を突き動かす。
前田健の顔には笑みがこぼれていた。午後4時からの会見で、選手会の新井会長(阪神)がWBC不参加の方針から一転、参加を表明。エースは晴れてWBCに対する強い思いを打ち明けた。
「参加したい気持ちがあったので、決まったことはうれしいです。目標にしている舞台なので。経験すれば、野球選手としても大きいと思います」
日本代表への思いは日増しに強くなっていた。尊敬したダルビッシュがメジャーに挑戦。さらに、拍車をかけたのは、3月の東日本大震災復興マッチだ。タイトルホルダーを中心にした代表選考ながら、昨季の奪三振王は選出されなかった。一方で、楽天田中、巨人沢村、日本ハム斎藤ら、同年代の投手が日の丸を背負う姿を見て、悔しさと、うらやましさがあふれ出た。
「前回は自分が出たいとか、出られるレベルでもなかった。だけど、今回はチャンスはあると思う。(国際大会は)経験していないので成績が大事。1つのモチベーションになる」
4年間で前田健の球界での立ち位置も大きく変わった。08年に1軍デビューしローテーションの一角に食い込んだが、2大会連続で世界一に輝いた09年大会は「ファン」として観戦した。だが、翌10年シーズンに投手3冠に輝き、沢村賞を獲得すると一気にブレークした。ここからリーグで唯一2年連続で200イニングに登板を果たすと、今季も勝利数、防御率はリーグトップ。4月にはノーヒットノーランを達成し、球界を代表する右腕として認められるようになった。
初のCS進出を目指す中で、WBCの存在はエースの大きなモチベーションになる。チームはこの日、ナゴヤドームで10連敗となる敗戦で、吉見にリーグトップタイの12勝目を献上した。2つの目標を達成するためにも、前田健はこれから負けられない戦いを強いられることになる。【鎌田真一郎】



