<ソフトバンク4-1ロッテ>◇7日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが連敗を2で止めて「混パ」レースに踏みとどまった。江川智晃外野手(25)が4回に成瀬から左翼ポール直撃の逆転2ラン。今季の対戦打率4割6分2厘だった成瀬キラーの内川が負傷欠場する中、若鷹が自身初の1試合4安打で打線を引っ張った。首位西武と再び5ゲーム差。まだあきらめるには早い!

 ファウルと本塁打。シビアに結果を区分するオレンジ色の左翼ポールを江川の思いを乗せた打球がカンとたたいた。「ファウルになるかと思って走りました」。ガッツポーズの出し所を逸した分だけ、仲間とのハイタッチに力をこめた。

 0-1の4回1死一塁。追い込まれてバットを指2本分短く握ると、成瀬の低め直球を「芯でいいポイント」でとらえた。直前の無死二塁では長谷川が送りバントを失敗。嫌なムードを吹き飛ばす逆転2ランだった。成瀬から3安打を引き出し、8回は中郷から三塁打を放ち、プロ8年目で初の1試合4安打をマーク。「勢いに乗って積極的にいった結果です」と気持ちよさそうに汗を拭った。

 1日前は顔を真っ青にした。6日西武戦。左翼・江川は浅村の左中間の当たりを捕り損ない、先制適時三塁打にしてしまい、試合の流れを相手に渡した。「悪い流れを持ってきてしまった。今日は何とか打破したいと思った」。成瀬キラーの内川が負傷欠場する中、江川も今季9打数5安打と打ち崩し、汚名を返上して十分な働きをみせた。

 6月中旬に腰痛で登録抹消となり、2軍で体を動かせない間に上半身中心に鍛えた。バットを振り切らず力強い押し込みで放った2ラン。けがの功名でもあった。今ロッテ3連戦は7月の「鷹の祭典」で使った勝率のいい緑のユニホームを再着用。リハビリ中だった江川はもちろん初めて。「あの時期はテレビで違うチームの試合を見ていた。焦りもありました」。8月31日に1軍再昇格。当事者としてまとった緑の戦闘服の着心地は最高だった。

 江川がけん引した打線は2桁11安打を放ち、連敗を2で止めた。秋山監督も「効いたね、あの1発が。バント失敗の後、嫌な流れでの1発で展開が変わった」と絶賛。江川が本塁打を放てば今季4連勝。再び西武と5ゲーム差。首位追撃のラッキーボーイはこの男だ。【押谷謙爾】