<日本ハム2-5ソフトバンク>◇16日◇札幌ドーム

 高卒ルーキー右腕が、球史に新たな1ページを刻んだ。ソフトバンク先発の武田翔太投手(19)は5回5安打4四球と苦しみながらも2失点。チームの連敗を3で止める6勝目を挙げた。65年のドラフト制導入後の高卒新人では、02年寺原隼人(現オリックス)に並ぶ球団記録。首位日本ハムと3・5ゲーム差に縮めて優勝争いに踏みとどまり、今日17日からの西武3連戦に弾みをつけた。

 武田が連敗ストッパーの大役を果たした。負ければ首位日本ハムと5・5ゲーム差に開く。チームの窮地を救う6勝目。高卒新人では史上2人目の球団記録となった。「大先輩に並べたのはうれしい」。寺原は救援での白星が含まれるが、こちらはオール先発で積み上げてきた。

 7月7日にプロ初登板初勝利を挙げた思い出の札幌ドーム。登板前に「ここの硬いマウンドは好き。初登板の時みたいな真っ白な気持ちで投げたい」と話したように、ピンチでもトレードマークの笑顔を忘れず、自分の投球を貫いた。

 初回に3安打を浴びながら1失点で切り抜けると、2点リードの5回だ。1死一、二塁で中田を迎えた。2日に逆転2ランを浴びてプロ初黒星を喫した、因縁の相手だった。2ボール2ストライクと追い込み、最後は内角高めの150キロ直球で空振り三振を奪ってニッコリ。「気持ちを込めた真っすぐ。いいボールじゃないかなと思う」と、こん身の1球を振り返った。

 続く稲葉に中前適時打を許したが「切り替えるしかない」と、ここでも笑った。なお2死一、三塁と同点のピンチで杉谷を遊ゴロに打ち取り、勝利投手の権利を死守して降板した。「無駄な四球で野手のリズムを崩してしまった」と4四球を反省。ただ「勝負するところは勝負できた」と、先発として最低限仕事ができた充足感もあった。直球の最速は自己記録に1キロと迫る151キロを計測した。

 9歳上の寺原と面識はないが、宮崎出身の同郷でもある。「弟さんが僕と同い年なんで、ちょっと親近感はありますね」。同じ大会に出場したこともあるという。次回登板には球団新記録の期待もかかる。「まずはチームが勝つことが第一。ただ、意地でも負けられないですね」と、19歳の負けん気がのぞいた。

 リーグ3連覇へ望みをつないだ。今日17日からは3ゲーム差で追う2位西武との3連戦が控える。武田は「チームにいい流れを呼び込めたらいいかな」と、笑顔を保ったままバスに乗り込んだ。【大池和幸】

 ▼武田が6勝目。ドラフト制導入後、球団の高卒新人投手では02年寺原と並び最多となった。寺原は6勝まで12試合を要し、そのうち2勝が救援勝利。武田は9試合目で到達し、全試合に先発している。