<日本ハム2-5ソフトバンク>◇16日◇札幌ドーム

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(40)が“自己ワースト記録”とチームの連敗を止めた。7回1死から内川とペーニャの連打につられるように、モルケンの外角直球を右前にはじき返した。なんとこれが33打席ぶりの「H」ランプ点灯。「やめる年にプロ入りワースト記録を更新しとったからな」。プロ最終年で思わぬ記録をつくっており、恥ずかしそうに笑った。過去のワーストは99年7月3日オリックス戦第1打席から、同14日ロッテ戦第2打席までの27打席無安打だった。

 8月14日に今季限りでの引退を表明し、直後10試合で29打数12安打6打点、打率4割1分4厘と打ちまくった。ところが、9月になるといい当たりも野手の正面を突くなどツキもなし。これが9月初安打だった。「試合前の準備はいつもと一緒。そこは手を抜いたりはしないよ」。現役をやめる決意をしても気持ちを保ち、黙々と準備を重ねてきた。「自分に起きることはすべてが必然」と考える男にとって、この時期に味わった生みの苦しみもまた自分の糧になるはずだ。

 7回は小久保の安打で3連打とし、1死一、三塁から多村の遊ゴロでペーニャが本塁に突っ込み、とどめの5点目を奪った。1回は明石がエンドランを成功させ、内川の先制犠飛につなげ、2回も細川がバスターエンドランを試みるなど機動力を前面に出した。敗れればCS進出にも黄信号が点滅し始める瀬戸際で、攻めの姿勢を強くした。

 小久保は4回に小谷野のライナーをダイビング捕球し、6回はホフパワーの一塁線へのゴロに飛びつき、アウト。守備でも勝利に貢献した。「(日本ハムに)3連敗せんでよかった。それより台風が心配」。リーグ戦は残り15試合。今は“記録”と記憶に残るプレーで逆転Vの可能性を高めていくだけだ。【押谷謙爾】