<阪神4-4DeNA>◇17日◇甲子園

 阪神藤川球児投手(32)が17日、右足内転筋に張りを訴え、DeNA戦の登板を回避した。試合前練習で異常を訴え、1点リードの9回に登場しなかった。試合後は「プレーヤーとして情けない」と、心情を吐露。今日18日の状態次第で、出場選手登録を抹消される可能性も出てきた。

 阪神ファンは勝利を信じて疑わなかっただろう。1点リードで迎えた9回表。実はこの時点でブルペンに異変が起こっていた。虎の守護神が消えた。指揮官が告げたのは、代役の福原。球場のどよめきの中で、不穏な最終回が始まった。

 和田監督

 練習中に内転筋の張り、ということなので、大事を取った。

 故障による登板回避だった。試合前練習にまでさかのぼる。メニューの一環として、三塁ベンチ前で投手陣がノックを受ける。この練習中に、藤川が自ら「×」マークを作って、切り上げた。右足の内転筋に張りを感じ、そのままグラウンドを引き揚げた。監督やコーチ、トレーナーがあわただしくアクシデントに対応した。

 藤川

 ゲームを外れると、監督、コーチと相談して決めた。こういう展開になって申し訳ない。万全じゃないと、いいパフォーマンスが出せない。体調を整えられなかった。自分がしっかりしなかったから、こうなった。プレーヤーとして、情けない。もともと膝で抹消して、関連があるかないか。

 巨人との前カード(東京ドーム)から、状態はよくなかったという。藤川は6月に右大腿(だいたい)骨の挫傷で登録を抹消。今回の張りに影響を与えているのかは不明だが、大きな不安要素だ。

 山口投手コーチ

 明日の様子を見てになる。キャンプの前半にも(兆候を)持っている。膝がおかしいことの影響もあるかもしれない。

 今日18日の回復次第によっては、出場選手登録を抹消される可能性もある。波に乗れないチームと同様に、藤川もスッキリしないシーズンを過ごしている。9回表は代役の福原が失点を許し、同点に追いつかれた。和田阪神にとって、守護神不在の不安を露呈。そしてメジャー挑戦を決断した藤川の今後に、暗雲が垂れ込めるか。動向に注目が集まる。