<中日5-9巨人>◇18日◇ナゴヤドーム
さあ、一気にカウントダウンが進んできた。原巨人が2位中日に4点差を引っ繰り返す逆転勝ちで、優勝マジックを3とした。4点を追う3回、坂本勇人内野手(23)が左翼席に14号グランドスラムを放ち同点。7回には脇役の活躍で一挙4点を奪い、勝ち越した。今日19日も勝てば、最短21日の東京ドームでの胴上げが現実味を帯びてきた。
坂本の1発が、大逆転劇への幕を開けた。1-5の3回無死満塁。中日ソトのチェンジアップが高めに浮いたのを逃さない。思い切りしばいた打球は、ライナーとなって左中間席最前列へ。起死回生の14号同点満塁本塁打に、ナゴヤドームが興奮のるつぼと化した。グランドスラムは昨年10月5日以来、プロ入り4本目。「真芯でした。打った瞬間にいったと思いました。1点でも2点でも取れればと思っていたので良かった」と笑顔で振り返った。
成長ぶりが見えた一打だ。ソトには試合前までの今季チーム打率が1割5分9厘。岡崎ヘッドコーチは「去年やられたチェンジアップ系のイメージが残っていて、今年は真っすぐ系にやられている。どっちか狙って1球に懸ける。攻め方は個人で違うから任せる」と話した。チーム単位でなく各自に狙い球を絞らせた。
冷静に、狙っていた。今季は「より考えて打席に入っている」と自負する。狙い球、配球、状況、全てを頭に入れる。ここは最低でも犠飛がほしい場面。導き出した答えは「低いのは捨てて高め」だった。1球前のチェンジアップは1バウンドで、バットをスイング途中で止めてボールにした。その直後に、願ったりかなったりの球が来た。
一振りで仕留める高い技術もかみ合った。今季は昨季の半分の約15本しかバットを折っていない。本数の少なさは、高橋由、金本、サブローというSSK社契約選手のトップ3に肉薄するという。坂本は「何でなんですかね?」と笑うが、同社担当者は「技術力の向上しかない」と理由を説明。岡崎ヘッドも「芯で捉える技術が上がっている。現状では坂本以上の3番打者はいない」と力説する。真芯で捉えられたからこそ打球はフェンスを越えた。
劇的な一撃がチームをよみがえらせ、7回の5連打を生んだ。1死一塁から阿部を皮切りにつるべ打ち。代打石井の決勝適時打で加速度を増した。一挙4得点で、中日の戦意を奪った。
ゴールが見えてきた。それでも「まだ考えてません、明日です」と言い、帰りのバスに乗り込んだ。思いは原監督も同じだ。「満塁本塁打も5-1からだからね。今日は全員の力を結集し、全員の力で勝利を取った。それに尽きる!」と会見で8度も「全員」を強調しつつ「明日は決戦です」と結んだ。中日に勝ち越しを決め、本拠地での胴上げに向かう。【浜本卓也】
▼巨人が4点差を逆転してマジックを3に減らした。巨人の4点差以上の逆転勝ちは6月11日ロッテ戦(0-4→8-4)に次いで今季2度目。中日戦で4点差以上をひっくり返したのは08年8月25日(0-4→6-5)以来で、ナゴヤドームでは07年5月1日(1-5→9-5)以来、5年ぶりの大逆転だ。
3回には坂本が1-5から同点となる満塁本塁打。巨人で一気に4点差を追いつく満塁弾は、00年9月24日江藤が中日戦で記録して以来、12年ぶり。前回は9回に出た江藤の満塁弾で追いつき、続く二岡のサヨナラ弾で優勝を決めた。なお、坂本の満塁本塁打は11年10月5日横浜戦以来4本目。過去3本は東京ドームで、敵地では初めてとなった。



