<巨人6-0DeNA>◇6日◇東京ドーム

 巨人沢村拓一投手(24)が、5回を1安打無失点に抑えて10勝目を挙げた。昨年の11勝に続く入団以来2年連続2ケタ勝利は、巨人では堀内以来45年ぶり。それでも、2年連続で勝率5割ジャストの「貯金ゼロ」に、笑顔も見せず反省の弁を並べた。

 いら立ちすらうかがえた。今季レギュラーシーズンの最終登板を終えた沢村は、笑わなかった。新人から2年連続の2ケタ勝利。約半世紀ぶりの快挙達成にもかかわらず「悔しさもあるし、反省もある。良かったところもあれば、悪かったところもある。(10勝しているけど)10敗しているんで」と、表情を曇らせた。

 8月14日以来の勝利の味は苦かった。その間、4試合に先発したが、計16失点で勝ち星から見放され続けてきた。1日ヤクルト戦はCSをにらんだ中継ぎ登板を命じられ、3回7安打3失点と炎上。4日の全体練習では原監督から直接指導を受けフォーム改善に乗り出すほど苦しんだ。「監督をはじめ、選手のみなさんが『僕がよくなるように』と思ってやってくれた。なんとかプラスに変えていきたい」と、周囲の声に耳を傾けた。

 先発復帰した、この日「絶対に思いっきり投げない」と決めていた。全力ではなく、6~7割の力で投げることを心掛けた。「力むとバランスが崩れるので」と言うように、最速は148キロで、終始145キロ前後にとどめた。相手打者を制圧する球速、球威よりも、フォーム修正に徹した。「悪い部分というのは、いいふうに見たらのびしろ」と、課題を受け止め、愚直な姿勢で臨んだ。

 一応の結果は出した。でも、CSの先発枠入りへの道は厳しい。原監督が「本来、宮国が先発するはずだったのですが彼(沢村)に期待して交換した」と明かしたように、枠入りを争う宮国にリードを許しているのが現状。沢村本人も「勝てばいいという問題じゃない。内容が伴った結果を出さないといけない立場にいる」と自覚している。

 ただ、2年連続で10勝をマークしたことは紛れもない事実。内海、杉内、ホールトンとともに2ケタ勝利をマーク。4人以上の2ケタ勝利は巨人では90年の桑田、木田、斎藤、宮本、香田以来22年ぶりの「投手王国」の一員に名を連ねた。だからこそ、この先の戦いでも戦力でいる必要がある。「また、今度投げるときもゼロでいけるように頑張ります」。13、14日の宮崎でのCS直前合宿がCS先発への最終試験になる。【為田聡史】

 ▼2年目の沢村が今季10勝目を挙げ、昨年(11勝)に続いて2ケタ勝利をマーク。プロ1年目から2年以上続けて2ケタ勝利は、岸(西武)が07年から4年連続で記録して以来。巨人では66年から13年連続で記録した堀内以来8人目になる。これで今季の巨人は10勝以上が内海、杉内、ホールトンに次いで4人目。巨人で2ケタ勝利が4人以上は、90年に斎藤20勝、桑田14勝、宮本14勝、木田12勝、香田11勝と5人がマークして以来、22年ぶり。