今日13日、日本シリーズ進出をかけたクライマックスシリーズ(CS)が、セ、パ同時にスタートする。第1ステージでソフトバンクと対戦する西武渡辺久信監督(47)は12日、共同記者会見で相手のキーマン小久保裕紀内野手(41)に揺さぶりをかけ、味方の先発牧田和久投手(27)には短期決戦の極意を伝授した。

 ひな壇の上の渡辺監督は、CSのキーマンになりそうな選手を聞かれると、ひと呼吸置いて切り出した。「小久保選手ですね。長い現役生活を終えるだけあって、チームのみんなが花道をと考えている。乗せてしまうと、そういう雰囲気が出てくるので、小久保選手を抑えたいと思います」。2人挟んだ左側の席に座る相手を前に、直接揺さぶりをかけた。

 渡辺監督も現役時代、小久保を抑えるのに苦労した。94年からの4シーズン対戦し、14試合で27打数8安打で被打率2割9分6厘。3本の本塁打を浴び、5打点を記録された。今回はそこに、今季限りで引退という発奮材料が加わる。先発する牧田も「確かにそうですね。監督の言うことは正しいと思う。打たれても、走者をホームにかえさないようにしたいと思う」と小久保警戒に同調した。

 その牧田には、短期決戦の極意を伝授して送り出す。この日の練習中「短期決戦で勝つために何が必要か分かるか?」と話しかけた。「無駄な四死球を出さないことですか」と答えたサブマリンに「自信のある1球があれば勝てる。ここで、この球ならストライクが取れるという球を試合の中で早く見つけることだ」と教えた。その日の軸になる球を早く見極めることが勝利への道だとした。

 頭の中に描くのは先行逃げ切りだ。相手先発の摂津から先制点をもぎ取らなければ、プラン通りにはいかない。練習後、球場を後にしようとした渡辺監督は思わず本音をもらした。「目の前にいたから小久保の名前を出した。もちろん小久保を抑えるのは重要なんだけど、本当に攻略すべきキーマンは摂津なんだよね」。それが会見の時、ひと呼吸置いた理由だった。2人のキーマンを攻略し、勝利をもぎとる準備は整ったようだ。【竹内智信】