<パCSファーストステージ:西武1-2ソフトバンク>◇第1戦◇13日◇西武ドーム

 西武ドーム名物の108段の階段を上る選手の姿は、うつむき加減だった。3戦制の短期決戦の初戦に敗戦。9回に1点差に迫ったが、残ったのはシーズン終了の危機感だった。渡辺久信監督(47)は「(摂津が)いい投手だというのはわかっていること。こういう展開を作らないように、しなければいけなかった」と振り返ったように、試合の行方を左右したのは、序盤の攻防だった。

 今季5敗を喫した摂津を相手に、2点のビハインドは重かった。失投が少なく、制球力とキレで勝負する摂津攻略に、直球、シンカー、カーブ、スライダーのいずれかから、各打者で狙い球を絞ることを徹底。「低めの見極めをしっかりしよう」と低めに沈むシンカーへの対応を何度もたたき込んだが、変化の鋭さにバットが止まらなかった。安部打撃コーチは「わかっていても、ボール球に手を出してしまった」と唇をかむしかなかった。

 思考を変えるための秘策も打った。スコアラー陣が摂津の被打シーンを集めた「摂津攻略集」を作製。西武戦だけではなく、全球団に及び、20~30分要するDVDを準備した。時間を告知し、ミーティングルームで上映。攻略イメージを膨らませた上で打席に立ったが、8回4安打無得点に終わった。西武ドームでの連敗は8に更新。本拠地はため息で埋まった。渡辺監督は「明日は何とかしたい」と決意。残された2戦を全力で奪い取る。【久保賢吾】