<セCSファーストステージ:中日0-1ヤクルト>◇第2戦◇14日◇ナゴヤドーム
ヤクルトが、「CS仕様」の継投で1点を守りきった。6回無失点の先発館山昌平投手(31)から3人を投入し、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ進出へ逆王手をかけた。7回2死二塁、1ボールの場面で、先発要員の赤川克紀投手(22)を投入。8回からは守護神トニー・バーネット投手(28)が今季初の2回を投げて逃げ切った。ウラディミール・バレンティン外野手(28)の2試合連続ソロで挙げた1点を守り、シーズン3位から下克上Vへ前進した。
負ければ、すべてのシーズンが終わる。試合前からベンチに漂う重いムード。ピリピリと張り詰めた空気を感じながら、館山は腕を振った。
1点リードした直後の4回、3四球で2死満塁のピンチを招く。谷繁に粘られた10球目。外角低めに135キロの宝刀フォークを沈めて三振を奪う。「ここしかないところに落ちてくれた」と言った。6回はブランコを3球連続フォークで3球三振。最後は2死一、二塁から、再び谷繁をフォークで中飛に切った。
6回無失点で、重いバトンを救援陣に託した。「10日前からここに合わせるように言われてました」。シーズン終盤の6連勝で疲労が蓄積し、9月26日に抹消された。その後実戦は1イニングだけ。本調子ではない中、粘り切った。
1年前。同じ中日戦。CSファイナルステージ第5戦に先発し、右前腕部分を試合中に肉離れしながら投げた。無理しても投げるのが、後がないポストシーズンと繰り返す。試合直前の練習日。「靱帯(じんたい)は(完治に)1年かかるけど、それ以外は大丈夫。骨折も、筋肉も来シーズンには間に合いますから」と言った。骨を折っても肉離れしても、シーズン最後の登板なら、来季開幕には間に合う-。過去手術4度。昨年オフに右手中指血行障害で46針の手術から復帰した館山の、覚悟を込めた言葉だった。
エースの気持ちは、救援陣が粘ってつないだ。7回は2死二塁、1ボールから、先発要員の赤川が今季初救援で、中日森野を2球で打ち取った。8回からは、今季初めて守護神バーネットが回をまたぎ2回0封で締めた。異例ずくめの継投。小川監督は「とにかく1点を守るしかなかった。今日負けたら終わりですから」と、執念の采配だった。
試合後、仕事を終えた館山は「全力で0点に抑えようと思った。引き分けでもダメですから」と充実感を漂わせた。重い1点を、みんなで守った。大きな1勝で、最終戦に望みをつないだ。【前田祐輔】
▼ヤクルトはバレンティンの本塁打による1点を4投手で守りきった。プレーオフ、CSの1-0勝利は5度目で、セ・リーグのCSでは初めて。日本シリーズを含めたポストシーズンの1-0勝利は18度目だが、投手の人数は完投10度、2人5度、3人1度、4人2度。4投手で1-0勝利は10年CSのソフトバンク(ホールトン、森福、摂津、馬原)に次いで2度目になる。また、ポストシーズンの1-0本塁打は7本目。4番が打った1-0本塁打は、81年プレーオフの柏原(日本ハム)に次いで2本目だ。



