<セCSファーストステージ:中日4-1ヤクルト>◇第3戦◇15日◇ナゴヤドーム

 中日がヤクルトに豪快な逆転勝ち。6年連続でクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(17日~、6試合制)を決めた。

 中日の大ベテラン山本昌投手(47)の目が真っ赤になった。8回、トニ・ブランコ内野手(31)の逆転満塁弾が飛び出した。沸き返るベンチ最前列。先発し2回に重くのしかかる1点を与えていた山本昌は安堵(あんど)し、涙腺を緩ませた。

 プロ29年生を“泣かせる”ような、息をのむ展開だった。勝利をたぐり寄せたのは自慢の投手陣。細かくつないでブランコの劇弾を呼び込んだ。負ければ即シーズン終了の大一番。先発には球界最年長47歳2カ月の山本昌が起用された。

 自身の持つポストシーズン最年長登板を2年ぶりに更新する記録的マウンド。重圧の中、ポストシーズン未勝利の左腕は41歳谷繁との同最年長バッテリーで必死に相手を封じた。2回にヤクルトのベテラン宮本に三盗を許し相川の適時打で失点。3回1失点でマウンドを降りると「先制点を取られたのが残念でした。すみません」とコメント。ベンチ最前列で祈るようにしてともに戦っていた。

 バトンはここから川上が2回、山井が2回と、それぞれが無失点でつながれた。締めくくりは3連投となる浅尾。「(味方打線が)点を取れると信じていた」と終盤8、9回を6人でねじ伏せ、勝利投手になった。

 大一番で実績十分の4人による豪華継投。右肘肘頭(ちゅうとう)骨折で絶対的エース吉見を欠きソトも左肩の不安で登録抹消中。この日は中田賢が右肩痛で離脱しソーサも足の不安でベンチには不在。それでもこれだけの顔ぶれを繰り出せた。まさに「オールスター」級。この投手陣で巨人にひと泡吹かせる。【八反誠】

 ▼47歳2カ月の山本昌が先発。10年に自身がマークした45歳2カ月のポストシーズン最年長出場と最年長登板の記録を更新した。これまで山本昌は日本シリーズが6試合で0勝4敗、CSが2試合で0勝0敗。この日は3回1失点で降板し、通算9試合目の登板もまたポストシーズン初勝利はお預けとなった。なお、中日の捕手は41歳9カ月の谷繁で、ポストシーズンで40代バッテリーは初めて。