<パCSファーストステージ:西武2-3ソフトバンク>◇第3戦◇15日◇西武ドーム
王球団会長の予言がズバリと当たり、CSファイナルステージに歩を進めた。第2戦まで8打数無安打の4番ウィリー・モー・ペーニャ外野手(30)が4回に決勝2点二塁打と強烈に目覚めた。8回には内川の適時打で突き放し、先発大隣から4人のリレーで粘る西武を振り切った。連続日本一の可能性を残し、リーグ覇者日本ハムの待つ札幌に乗り込む。
バンザイした小久保を先頭に全員が一塁ベンチから飛び出した。1点差の辛勝。重圧に耐え続けた分、マウンド付近では喜びの輪ができた。秋山監督は何を聞かれても「ホントにいい試合。ホントにいい試合」と繰り返すだけ。興奮していた。
ヒーローは、ついに目覚めたカリブの怪人だった。第2戦まで8打席無安打。前日14日、王球団会長の「明日はペーニャが打ってくれるでしょう」という予言が的中した。4回1死二塁。ペーニャは代わったばかりの西武十亀の初球から強振。客席が沸いた。2球目。内角直球を引っ張った。幼少時、母国ドミニカ共和国で父が働く牧場で牛の乳搾りを手伝ううちに、リンゴを握りつぶすほどの怪力を身につけた。代名詞でもある強烈な弾丸ライナーで、左翼熊代の頭上を抜いた。「もちろんヒットがないのは分かっていた。落ち着いて、今までやってきたように、チームのためにやろうと思った」と胸を張った。CS10打席目の初安打が先制の2点適時二塁打。ようやく仕事ができた。
最大3試合の短期決戦。ここまで、いい当たりが野手の正面を突く不運もあった。秋山監督からは「寝てる」まで言われたが、リーグ戦終了後の食あたりで体調を崩したことは言い訳にしなかった。「4番を代えられるかもと。使ってくれて応えようと思った」と、バットで結果を出した。
ペーニャを辛口評価した秋山監督も手をこまねいていたわけではない。西武に無失点リレーを食らった第2戦から打線を改造。リーグ戦残り2試合だけで試した「1番松田」を「調子がいいもんから使うんだよ」と決断。普段の5番からトップバッターに上げ、攻めの姿勢を明確にした。4回の先制は、狙い通りに先頭松田の中前打から始まった。
ベンチ裏は「札幌!
札幌!」の大合唱。今日16日、日本ハムの待つ敵地に乗り込む。6回の左前打でマルチ安打としたペーニャは「自分のタイミングが戻ってきた。チームのみんなも調子は上がっている。次のステージも突破したい」と頼もしかった。3位からの下克上で連続日本一へ。巨大戦力で圧倒した昨年と違う、しぶとさがある。【押谷謙爾】



