42歳のヤクルト宮本慎也内野手が8日、4年連続10度目の三井ゴールデングラブ賞を受賞し、昨季自身が樹立した40歳11カ月の最年長記録を更新した。一報は、秋季キャンプを行う松山・坊っちゃんスタジアムで受けた。今秋から選手兼任コーチの肩書が正式につき、この時期は若手指導に専念する。今回の受賞を「最後でしょ」と言い、自らのポジションを奪う選手の台頭を期待した。

 「チームとしてはそれが望ましい。いつまでも40過ぎたおっさんに負けるのも、若い選手にとっては良くないこと」と言った。

 今季は長嶋茂雄氏を抜き、三塁手として歴代1位の連続守備機会無失策257を記録した。110試合の出場で失策は5。シーズン中に一時は引退に傾きながら、来季続投が決まった小川監督の要請を受けて、現役続行を決断した経緯がある。チームは宮本の力を必要とするが、総合力で自分を抜く選手の登場を待っている。

 ヤクルトとしては、02年以来10年ぶりに内野3ポジションで受賞。1つだけ逃した遊撃手の川端は、今キャンプは左足首の捻挫で不参加だった。ライバル候補の山田、森岡らへの熱血指導を続けながら、「1人取れてませんから。取ってもらいたいと思っている」と、若きスター候補へ叱咤(しった)激励は忘れなかった。【前田祐輔】