ソフトバンクは15日、オリックスから国内FA権を行使した寺原隼人投手(29)と神戸市内で入団交渉を行った。年俸は3年総額4億円、背番号11を提示して古巣復帰へ全力で口説いた。寺原は結論は先としながら「また一緒に頑張りたいと思った」とフライングの“所信表明”で胸の内を明かした。ホークス寺原誕生は秒読みに入った。(金額は推定)

 ソフトバンクが遠征で宿泊する神戸市内のホテルに寺原は笑顔で到着した。FA交渉解禁日に今オフ最速のアタック。約40分間の交渉を終え、緊張から解放された右腕は、会見で正直者の性格を全開にした。

 「素直にうれしいのとありがたい気持ち。もともとソフトバンクにいたし、また一緒に頑張りたいと思いました。すごくいい話ができました。すごくいい評価をしてもらった」

 交渉にあたった石渡編成・育成部長から「王会長、秋山監督が『ぜひ君の力を』と言っている」「2桁(勝利)を挙げてくれれば日本一奪還できる」とストレートな復帰要請を受け、胸にズドンと響いた。

 「先発ローテとして頑張ってほしいと。僕もまだ福岡の方にはいい姿を見せていないので…」

 プロ55勝のうちホークスでは16勝に終わった。思いは自然と郷里へと向いた。

 「自分は九州の人間ですし、声をかけてもらった時点でありがたい。今年の成績が全然(良くない)なのにもかかわらず声をかけてもらったのは、僕の中では大きかったです」

 まだ正式決定はしていない。ただ、言葉の端々に来季7年ぶりの古巣復帰へ気持ちを固めた様子が浮かんだ。ちょっぴりフライング気味の“所信表明”で入団へと進む運びとなった。

 先発ローテの軸として迎え入れたいソフトバンクは、3年総額4億円の年俸とともに、背番号11を提示。石渡部長は「主に20番を着けていたが、新しい寺原ということで高校時代にも経験のある11。原点に戻るのと、エースナンバーの横並びでいいんじゃないかな」と語った。日南学園時代の01年夏に出した158キロは今でも高校生の甲子園最速。「ニュー寺原」として地元九州で再び輝きを放つにはぴったりの番号だ。

 寺原は残留要請を受けているオリックスと近日中に最終交渉に臨むが、「お断り」の場となるもよう。01年ドラフトで王監督が4球団による抽選を制してダイエーに入り、06年に横浜へトレード移籍した際に球団は「将来何らかの形で帰って来てほしい」と送り出した。2球団を渡り歩き「成長したと思う」という快速右腕がまもなく凱旋(がいせん)する。【押谷謙爾】