WBC日本代表候補の阪神能見篤史投手(33)が早くも「WBCモード」に入った。22日、甲子園クラブハウスで自主トレを行い、WBC公式球を初めて使用。意識を集中させた指先の感覚は上々だ。

 「そんなに気にならなかった。縫い目は、ちょっと(高さが)ないかな。ちょっと滑る感じはする。しっかり投げていって、どうなるかですね」

 来年3月に開催される本番まで試行錯誤を重ねる。例年より早い調整を進めており、すでに投球を開始。前日21日には自宅へ新球が届いていた。早速、この日、試して細かいフィーリングを感じ取った。まだ準備段階だが、今後の練習や来年1月の自主トレ、2月のキャンプでもWBC使用球を中心に用いる考えだ。

 プロ入り後、初めて日の丸を背負う。意気込みは日増しに強まる。「こっちに届いた球も、向こう(米国)に行ったときの感覚は違うと思う」と思いをめぐらす。米国決戦はサンフランシスコでの決勝トーナメントだけ。代表正式決定、世界一を決める大舞台での快投…。能見の脳裏には、はっきりとサクセスロードが描かれている。【酒井俊作】