競輪に転向した元阪神投手の伊代野貴照(32=兵庫)が24日、京都向日町競輪場で行われたチャレンジ決勝5Rで見事に逃げ切り、デビュー13場所目で初優勝を飾った。「本当にうれしいし、よかった。優勝を意識することなく、いつも通りの競走(先行)をして走った結果がついてきたと思います」と喜んだ。

 伊代野は02年ドラフト10巡目で阪神に入団。最速149キロの速球とスライダーを武器に1年目の03年4月の広島戦で初勝利を挙げた。だが、以降は勝ち星を挙げられないまま08年限りで退団。09年は台湾、四国・九州ILで野球を続け、同年限りで現役を引退した。

 その後、元阪神コーチ、故島野育夫氏の長男で競輪選手の島野敦識さん(引退)に弟子入り。11年1月に日本競輪学校101期生入学試験に合格し、今年7月の奈良競輪でデビューしていた。

 「来年もこの走りを継続していければ、結果も伴うんじゃないかと思います」とさらなる活躍を誓った。

 ◆伊代野貴照(いよの・たかてる)1980年(昭55)10月29日、静岡県生まれ。沼津学園からローソンを経て、02年ドラフト10巡目で阪神入団。08年に戦力外。09年3月に台湾の兄弟にテスト入団も5月に戦力外通告。6月に四国・九州IL高知に入団し、シーズン後に退団。その後、競輪転向。179・7センチ、85・8キロ。太もも61・8センチ。