オリックスは25日、阪神からFA宣言した平野恵一内野手(33)の獲得を発表した。11月から交渉を行い、年俸1億5000万円プラス出来高の2年契約(推定)で基本合意に達した。年明けに入団会見を行う。

 07年オフに放出した平野の再獲得に踏み切ったのは、二遊間補強を目指すチーム方針と、内外野をこなせる選手の加入による競争激化を狙ってのこと。村山良雄球団本部長(66)は「チームに厚みが出来た」と何度も繰り返した。

 内野は11年ドラフト1位の安達、縞田、三ツ俣ら、外野は10年ドラフト1位の駿太ら、レギュラーに定着させたい若手がいる。10、11年にゴールデングラブ賞、ベストナインを受賞した平野が加入することで、現有戦力に緊張感を持たせて成長を促す狙いだ。

 平野は「自分らしく信汗不乱の精神で、まずはレギュラー取りを目指して頑張りたいと思います」と球団を通じてコメント。オリックス時代の恩師、故仰木彬監督の座右の銘になぞらえて決意表明した。森脇監督も「内外野をこなせる能力の高い選手で、今のチームにとっていろんなバリエーションが広がる貴重な選手だと思っています」と期待を寄せた。

 ◆平野恵一(ひらの・けいいち)1979年(昭54)4月7日、神奈川県生まれ。桐蔭学園で甲子園に出場。東海大から01年ドラフト自由枠でオリックス入団。内外野を守れるユーティリティープレーヤーとして活躍。07年オフ、浜中らとの2対2のトレードで阪神移籍。10、11年にゴールデングラブ賞、ベストナインを獲得。169センチ、67キロ。右投げ左打ち。

 ◆オリックスのFA獲得

 93年の制度導入後、平野で3人目。第1号は03年オフの前ダイエー村松有人外野手。古巣ダイエー、日本ハム、ロッテと争奪戦となり、本拠地ヤフーBB(現ほっともっと神戸)が体に負担の少ない天然芝であることが決め手の1つとなった。2人目は11年オフの前西武ミンチェ投手。同年FA権を得て外国人枠から外れ、競合相手はなかった。