「みやもとさんを、てぶらでかえすわけにはいかないでしょ!!」。マスコット界初のFA宣言を行ったヤクルト「つば九郎」の結論は志願の現状維持、年俸1万円での残留だった。26日、都内の球団事務所で交渉を行い、衣笠球団社長兼オーナー代行から他社移籍の場合は、帽子のYSマークやユニホームのスワローズロゴは商標登録しているため使用禁止を通達された。「よそに行ったら『なに九郎』になるのか」と迫られて降参。残留を決断した。

 球団側からは年俸2万8960(つばくろう)円を提示されたが、「このそうどうでめいわくをかけた」と一部返上を申し出た。ヤクルト400飲み放題、遠征時ビールピッチャー3杯なども勝ち取り、デビュー20年目となる来年4月7日のDeNA戦で記念セレモニーを行うことも決定した。3日のFA宣言後22社からオファーを受け、宮本からも叱咤(しった)された騒動がこれで終結。ただ「らいねんはおとなしくします」と、最後まで「生涯ヤクルト」は宣言しなかった。