巨人長野久義外野手(28)と坂本勇人内野手(24)が“阿部政権”を強力サポートすることを誓った。26日、東京・大手町の球団事務所で2選手そろって契約更改交渉に臨み、長野が6500万円増の1億6000万円、坂本が7000万円増の1億8000万円でサイン。ともに巨人の主軸に成長した働き盛りの2枚看板が、侍ジャパンでも巨人でも大将として君臨する阿部の援軍につく。これで巨人は全選手が契約更改を終えた。(金額は推定)

 長野も坂本も、想定どおりの大幅アップで更改した。2人そろっての最多安打、不動の1番、3番として打線をけん引。3年ぶりの日本一に大きく貢献し、この日を迎えた。だが、長野は「成績的には満足できなかった。打率、本塁打、打点も去年より全部下がってしまった。最低、去年の成績はクリアしたかった」と慢心はなかった。坂本も「タイトルを初めて取らせてもらった。これで満足したらダメ。守備をもっと勉強して投手に信頼されるように頑張りたい」と、口元を引き締めた。

 ともに1億円プレーヤーで2億円に迫る高額選手の仲間入りを果たした。かねて阿部が「1億円を超えたら自立してもいい」と、話していたが、長野も坂本もプライスレスの信頼を置く主将とのグアム合同自主トレに参加する。年明け5日に出発し、約3週間の共同生活をしながら1年間、戦い抜くための体をつくる。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、急ピッチでの調整が強いられるが、坂本は「そんなにやることは大きく変わらない」と、阿部組の調整に自信すら見せた。

 個人では補えないチームとしての力もある。2年連続でタイトルホルダーとなった長野は「個人的なタイトルには興味がない。チームが優勝することが一番。それが一番のタイトルだと思っている」と、熱く語った。2年連続で本塁打が20本に届かなかった坂本は「来季は20本台を狙いたい。お客さんも楽しみにしている」。そんな精神も「阿部組」で学んだ財産だ。

 来季はWBC3連覇、巨人2連覇の重責を負う。大将のサポート役が機能すれば、より現実味が帯びるだけに「勇人が阿部さんの下でしっかり支えているのを僕がこっそり見ておくようにします」と長野。坂本も「連覇したいという気持ちは強い。若い選手が入ってくるので引っ張っていけたらいいなと思う」と、あ・うんの呼吸で脇を固める。

 くしくも、この日、政界では「第2次・安倍政権」が誕生した。球界の“阿部政権”は、今季に引き続き、盤石の状態で来季も迎える。【為田聡史】

 ◆巨人年俸メモ

 巨人は全選手の契約更改が終わり、外国人選手と育成選手を除いた年俸総額が37億5280万円となった(本社推定、新人を含む)。選手会が発表した12年の34億1880万円に比べ3億円以上増えた。選手会が年俸調査を始めた88年以降、巨人の最高は01年で41億1577万円。00年に日本一となり、00年の35億4731万円から総額で5億円以上増えた。01年は松井の5億円を筆頭に、清原と工藤が3億円、江藤が2億4000万円、斎藤雅が2億1000万円と2億円以上が5人いた。巨人は04年にも40億2820万円で、年俸総額が40億円を超えている。