黄金ルーキーを超一流に育て上げるため、英才教育が施される。日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18)が、2月に沖縄で行われる春季キャンプは2軍スタートの方針であることが12月31日、分かった。最速160キロの剛腕に高校通算56本塁打と、投打ともに実力は十分だが、18歳の高卒1年目。オーバーペースでの故障も心配され、まずは2軍で体づくりに取り組むことになりそうだ。2013年、大谷が挑戦する「二刀流」伝説が始まる。

 将来性抜群の大器が、万全を期して、ルーキーイヤーのスタートを切る。日本ハムのドラフト1位大谷は、2月の春季キャンプを沖縄・国頭村での2軍で始動することになりそうだ。「やればできるというのは分かっている」と、早くも絶大な信頼を置いている栗山監督をはじめ、球団首脳も実力は高く評価している。しかしながら、いまだ身長が伸び続けているという成長期の高卒新人。精神的、肉体的にも無理をさせないために、まずは同期のルーキーらとプロ野球人生をスタートさせる。

 「エース兼4番」という壮大な目標をかなえるための育成プランだ。最速160キロの剛腕と、高校通算56本塁打の打撃。投打ともに一級品の大谷にとって、何よりも怖いのが故障をして出遅れてしまうこと。栗山監督も「変なプレッシャーをかけてもいけない。オーバーペースは怖いし、ケガはさせたくない」と話す。05年のキャンプでは、右膝に炎症を抱えていたドラフト1位の新人・ダルビッシュ(現レンジャーズ)も2軍でスタートしており、同じように無理をさせず、しっかりと体づくりに取り組ませる。

 もちろん、状況や状態によって、1軍に合流する可能性は十分にある。昨年も社会人出身で高い評価を受けていた森内を2軍からスタートさせ、プロの水にも慣れ始めたキャンプ終盤から名護市の1軍に帯同させた。栗山監督は「(2月中旬にある)国頭での紅白戦がひとつのポイント」と、キャンプ終盤へ向けてメンバーの入れ替えを検討している。

 春季キャンプでは、遊撃手に挑戦させる方針もすでに明かしている。指揮官は「外野ならすぐにでもできる。できないことを探るのがこっち(指導者)の仕事」と言う。大谷の技術の高さを認めているからこそ、あらゆる可能性を模索しながら、さらにレベルを高めていく。その大事な修練の時期だからこそ、じっくりとファームで力を蓄えながら、二刀流挑戦のサクセスロードを歩んでいく。