ソフトバンク王貞治球団会長(72)がポスト小久保の出現を求めた。7日、球団の仕事始めに出席。3年ぶりにノンタイトルで迎えた新年を迎え、4年間主将を務め、昨年引退した小久保裕紀氏(41=野球解説者)の後継者の登場を今季のカギに挙げた。転換期に入ったチームはV奪回だけでなく、リーダー確立という難題にも立ち向かう。

 V逸で迎えた新年の鏡開き。バットで勢いよく酒樽を開けた王会長は元気にまくし立てた。口にした清酒のせいではない。危機感を持っていた。

 「一番の懸念は、キャプテンマークをつけ、先頭を切って走ってくれた小久保が引退したということ。チームの誰が引っ張るのか。あるいは総合力で戦っていくのか。キャンプからオープン戦にかけて方向性は見えてくると思う」

 昨年は戦力流出でリーグ3連覇、連続日本一の夢は破れた。今季は引退した小久保氏が昨年まで4年間務めた主将という“戦力”を失って迎える。新戦力として大砲ラヘアや吉村、五十嵐、寺原、大学NO・1右腕の東浜巨投手(22=亜大)らを獲得と補強は成功したが、チームはそれだけでは回らない。全体が優勝という同じ目標を向き続けていられるよう、チームを束ねる軸、柱がいる。次期主将の誕生を強く求めた。

 小久保氏は自らの経験則から内川に適性があると“指名”したが、現時点で球団は未発表のまま。秋季キャンプで秋山監督は「今はそれどころじゃない。チームがどう変わっていくかと考えている」と話し、5年目で初めて空席になる可能性がある。ただ、王会長はこの“喪失感”によるチーム変革も期待した。

 「若返りを図ったという点で『今まで小久保選手に頼っていたが、自分がやらなければ、引っ張らねば』という意識をレギュラーの選手が持ってくれるのはいいことだと思う」

 11年オフの主力流出をポイントにソフトバンクは転換期に入っている。常に世代交代はある。それだけに王会長は「模索しながらしばらく進むことになるだろう。そういう意味では秋山監督以下、コーチの指導力がますます問われる」と厳しい言葉も口にした。孫正義オーナー(55)から出ているV奪回の厳命。カギを握るのは投手力、打撃力、守備力…、そして求心力という目に見えない力も必要となってくる。【押谷謙爾】