日本ハムのドラフト1位ルーキー、大谷翔平投手(18=花巻東)が9日、千葉・鎌ケ谷市の「勇翔寮」に入寮し、即グラウンドで汗を流した。夢実現の拠点となる自分の城には、投手では前エースのダルビッシュ有(レンジャーズ)、打者では昨季2000安打を達成した稲葉篤紀外野手兼任コーチと、目標にする選手の写真を飾って“二刀流”成功へのイメージを膨らませる予定。明日11日に始まる新人合同自主トレーニングへ向け、プロ生活が動きだした。
プロ野球選手“日本ハム大谷”の1日が、本格的に始まった。「新たなスタートなので、すっきりとした状態で来たかった」と2日前に散髪して入寮。父徹さん(50)が運転するコンパクトカーに193センチの長身を押し込め地元の岩手・奥州市から栃木・那須町で1泊し、鎌ケ谷市にある「勇翔寮」まで2日がかり、約6時間のロングドライブだった。
共同生活では初めての1人部屋。前エースのダルビッシュから引き継いだ自分の部屋へ、投手と内野手、外野手用と3種のグラブ、さらに「自分のものや(動画投稿サイトで)ダルビッシュさんや前田健さん(広島)、打者では稲葉さん、中村さん(西武)をよく見ます」というパソコンを持参。現代っ子らしく、デジタルを駆使して自分自身を見つめ直す準備を整えた。
くじけそうな時、新たな道に挑む時は、いつもイメージを大切にしてきた。高校時代は、寮の部屋に憧れのダルビッシュの写真を張った。左座骨の骨折でふさぎ込んでいた2年の秋は、同世代のライバル、大阪桐蔭・藤浪(阪神1位)の写真を新聞から切り抜き、寮の自室の壁に張って励みにした。プロでも、その姿勢は変わらない。「目標とする選手のものを(張りたい)。ダルビッシュさん、稲葉さんもそうですけど、そういう選手を目標にしてやっていきたいので」。2人の写真から、近い将来、成功する自分の姿をイメージ。二刀流成功の鍵を握る“イメトレ部屋”で、野球に専念するつもりだ。
入寮後は、早速隣接するグラウンドへ飛び出し、約1時間、ランニングや50メートルのキャッチボールで汗を流した。練習を見守った今成スカウトは「ちゃんとやってきたのが分かるね」と大谷の動きには満足そう。ボールを受けたドラフト3位の鍵谷陽平(22=中大)は「きれいな縦回転」、同5位の新垣勇人(27=東芝)は「重いというより切れがある」とコメント。早速、大学、社会人で腕を鳴らした即戦力投手2人を驚かせた。
明日11日には、いよいよ新人合同自主トレがスタートする。「体力的にも、しっかりプロの選手についていけるような体を作りたい」。今年を代表するスーパールーキーが、プロ生活のスタートを切った。【中島宙恵】
◆勇翔寮
日本ハムのファーム施設として、97年3月に千葉・鎌ケ谷市に開場した「ファイターズタウン鎌ケ谷」内にある。鉄筋5階建ての全48室。1人に8畳1間の個室が与えられる。食事は管理栄養士が作成したメニューでのバイキング方式。室内練習場が隣接されている。所在地は鎌ケ谷市中沢459。
◆高校時代は
花巻東の寮では相部屋で、昨夏の岩手大会のころは西武菊池の遠縁・菊池風雅(ふうが)投手(2年)と同じ部屋で生活。寂しがりやな面もあり、東北大会など公式戦登板前の宿舎などで、集中するために1人部屋を勧められても「みんなと一緒の方がリラックスできる」と、相部屋を好んだ。高校日本代表で出場したIBAF18U世界選手権(韓国・ソウル)の際は、城間竜兵内野手(光星学院)と相部屋だったが、複数の部屋に顔を出して、遊んでいたという。「(趣味は)特にないんですよ…。音楽はあまり聴かないんですけど、寮の隣の部屋からは最近ももクロ(ももいろクローバーZ)が、聞こえてきます」と話したことがある。



