広島野村祐輔投手(23)が2年目のジンクスを打ち破る。13日、東京・府中市の明大グラウンドで自主トレを公開した。大学時代、ともに注目を集めた菅野智之投手(23=東海大)が巨人に入団したが、“先輩”として負けられない。「200イニング登板」を目標に掲げた。

 慣れ親しんだ場所で、野村は充実の汗を流していた。1年目から先発ローテーションを守り、9勝を挙げて新人王を獲得。「やってきたことに間違いはなかった」という思いから、母校・明大グラウンドを自主トレの場所に選んだ。この日も、学生時代のころから師事するトレーナーとともに、約2時間半のトレーニングに励んだ。澄み渡った青空の下、野村は2年目の誓いを打ち明けた。

 「防御率(1・98)が良かったので、もう1度いい状態にしたい。あと、今年は200イニングを投げたいです」

 昨季、12球団で前田健が唯一到達した大台を目標に掲げた。また、新人年から2年連続で防御率1点台となれば、56、57年の稲尾(西鉄)以来、史上2人目の快挙だ。さらなる飛躍が期待される2年目だが、周囲の思いとは裏腹に、頭の中では不安が渦巻いている。

 「1年やったからと言って、昨年のことができるか分からない。悪い形で終わったので」

 8月中に2桁勝利に王手をかけながら、5連敗を喫し、シーズンを終えた。野村はキャンプ前の過ごし方が、失速の一因だったと分析。昨年の同時期は、レーシック手術を受けたり、所用で東京、広島間を往復を繰り返すなど、トレーニングの時間を十分に確保できなかったという。反省を生かし、今年は6日から都内で始動した。地に足を着け、月末まで準備を整える。

 これまで広島勢の新人王は、その翌年に成績を落とす傾向がある。だが、野村には発奮材料がある。大学時代にロッテ藤岡とともに「BIG3」として注目を浴びた、巨人菅野のプロ入りだ。

 「1年置いての入団でプレッシャーもかかると思うけど、互いに頑張りたい」

 新人王の肩書を持つ野村にも、比較対象としてのプレッシャーがかかるはずだ。プロの“先輩”として負けられない。ライバルと切磋琢磨(せっさたくま)する中で、1年目の自分も超えていく。【鎌田真一郎】

 ◆広島新人王の2年目

 広島勢では昨季の野村を含め、過去に8人が新人王を獲得。投手では82年津田、85年川端(2年目)、86年長富、95年山内、97年沢崎に続き、12年の野村が6人目。10勝未満での受賞は野村が初めてで、新人王翌年に2桁勝利を挙げたのは山内1人。山内も1年目は14勝で2年目は11勝。新人王年の勝ち数を、翌年に上回った投手はいない。