野武士が南国で刃を研いでいる。WBC日本代表候補の巨人村田修一内野手(32)が14日、沖縄・嘉手納町での自主トレを公開した。本番を見据えて例年より仕掛けが早く、ロングティーでは98センチ、1300グラムという長尺の“刀”を振り抜き飛距離アップをもくろむ。4番を張った前回は右太もも裏肉離れで途中帰国。今度こそ、と満を持し浩二ジャパンにはせ参じる。
グリップを高く掲げた上段構えから、村田が98センチ、1300グラムという“相棒”を射抜いた。「フリー打撃は禁止されている」という、規格外の長尺で敢行したロングティー。「遠心力で飛ばす。軸がぶれると、打てない」と狙いを明かした。「遠くに飛ばす」と原点回帰を13年のテーマに設定。フォームを戻し、練習用のバットは一新した。「統一球からWBC球を打つ。打者は、そう苦労ないと思う」と、豪傑らしく長打で日本の3連覇に貢献する。
実は国際試合にめっぽう強い。前回09年大会は中軸を任され7試合で打率3割2分、2本塁打、7打点と働いた。初顔の相手に対し「打てるボールは積極的に打つ。国際試合では特に外角が重要になる。好きなコースだし、スムーズに打つ」と極意を心得ている。ただ「悔いが残っている。今回はチームの力として戦いたい、と強く思う」とした、あの屈辱は忘れない。
第2ラウンドの韓国戦。走塁中に右太もも裏を肉離れし、正念場で途中帰国した。「韓国をたたかないと、上に行けない。苦手を中心に配球してくる」と、因縁の相手を強く意識する。苦手とは内角であり、超長尺バットの練習は「短いバットに持ち替えたら、さばきやすくなる」との狙いもある。心技体の死角をなくして侍ジャパンに加わる。
サンフランシスコ・ジャイアンツの帽子をかぶった。「自前です。ハワイで買いました。世界一にあやかって」と笑いごとじゃなかった。準決勝から先の舞台はAT&Tパーク。ジ軍の本拠地だ。「そこまで行く決意。そう受け取ってもらって結構」と村田。「野球の素晴らしさをアピールする。2020年、東京で五輪が行われるなら、野球が復活してくれたら」と、大きく先を見た。幕末の武士のように、思いをはせて南国で修練する。【宮下敬至】



