藤浪“笑劇”デビュー!?

 阪神ドラフト1位藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が15日、鳴尾浜で行われている新人合同自主トレで恒例の「声出し」に挑戦。中堅から本塁に向かって声を張り上げたが…、声がかすれて大失敗。吉本新喜劇ばりに周囲をズッコケさせた。何をやっても注目される右腕は、笑いも取れる?

 鳴尾浜に笑いの神が降りてきたのか。新人合同自主トレで2年ぶりに復活した「声出し」。名前、出身校、ポジション、目標を中堅から本塁へ向かって叫ぶ、新人の登竜門。小豆畑、田面、金田、北條がダメ出しを食らう中、満を持して最後に登場した藤浪だったが…。

 「ふじなみしんたろうです…」

 あろうことか、第一声が裏返ったようにかすれてしまったのだ。声にならない声…。その途端、小豆畑がドテッ。続いて田面、金田が次々とズッコケた。ラッパの音色は聞こえなくとも、まるでその光景は吉本新喜劇!

 藤浪座長の“笑劇”ハイトーンボイスに約100人の観客も大笑いだった。いつもはクールなドラ1も大照れで振り返る。

 「大きい声をいきなり出したので、声がかすれたので、それで笑われて…。自分の中ではもっと大きい声を出したつもりだったんですけど、あまりおなかに力が入っていなかったというか、しっかり声を出せなかったので、ああいう裏返ったではないですけど、かすれたような声になりました」

 大阪・堺市で生まれ育った生粋の関西人。お笑いコンビ、ダウンタウン好きの藤浪は、笑いを取ろうと狙ったのか。

 「別に狙ったとかじゃないです。自分は笑いをとるのでもないので。自然になったというか。そこまで面白くはなかったと思うので。面白いことを言える人間ならいいんですけど」

 こんなところでも目立っちゃうスターは最後まで照れ続けたが、実は最年長ルーキー、ドラフト4位小豆畑(あずはた)真也捕手(西濃運輸)の細やかな気配りがあった。「18歳の立場だと年上の人がやってくれると、楽になる。精神的な負担を減らしていければ。とっさにですね。ああいうところもかわいらしいところですね」。小豆畑は西濃運輸時代、土曜日の練習前に吉本新喜劇をテレビで見ていた。機転を利かせたナイスなリアクションが場を和ませた。

 藤浪は気を取り直して、再挑戦。「目標は今年1年、1日1日ケガなく乗り切ることです」と腹の底から声を張り上げ、一発クリア。未来のエースは三振も取れて、笑いも取れる!?

 【岡本亜貴子】