オフの話題を独占する日本ハム大谷翔平投手(18=花巻東)が、思わぬトラブルに巻き込まれた。花巻東(岩手)が昨年11月、大谷を生徒募集のCMに起用したことが日本学生野球憲章に抵触する可能性があるとして、日本高野連が調査に乗り出したことが17日、分かった。同憲章第26条は、高校の野球部員らが承認を得ずに、報道目的以外のメディアに出演することを禁じており、学校側が処分を受ける可能性が出てきた。

 大谷は昨年11月の1カ月、地元テレビ局が放送したCMに80~100回程度出演していた。日本高野連・竹中雅彦参事は「岩手県高野連にも、どういういきさつか聞いてほしいと言いました」と、事実関係の確認を急いだ。大阪市内の同連盟に問題となったCM映像を取り寄せ、届き次第問題があるかを判断し、処分などの検討に入る。

 学生野球憲章第26条は、高校の野球部員らが日本高野連の承認を得ず、報道目的以外のメディアに出演することを禁じている。日本高野連の幹部は、この日は都内で「学生野球資格に関する協議会」に出席して不在だったため、映像の確認はできていない。竹中参事は「他の部活の選手と一緒だったら問題ないが、ずっと大谷君だけが出ているようなら問題。いずれにしてもまだ見ていないので、見てからの判断になる」と話した。

 花巻東高によると、大谷が出演したCMは15秒で、バージョンは1つのみ。授業風景などもあり、単体で大きく映る生徒が大谷で、ほかに水泳部男子、勉強を頑張っている女子生徒の3人が出演し、大谷の出演部分は2秒程度という。その中の1コマで、大谷が花巻東のユニホーム姿で投球フォームを見せているという。

 大谷は同校のCMには2年連続で出演している。11年は別バージョンが放送され、今回問題になったのは昨年11月に放送されたもの。同校野球部の流石裕之部長(31)は「こちらの認識不足で、(憲章に)抵触して問題になると思っていませんでした。日本高野連の指示に従いたいと思います」と話した。竹中参事によると、過去の事例と照らし合わせても、CM出演で選手本人が処分された例はないという。大谷自身が処分を受ける可能性は極めて低いが、映像に問題があれば、部長らの監督責任に対して処分が下ることになる。