日本ハムからトレード移籍したオリックス糸井嘉男外野手(31)に、思わぬ「お目付け役」が28日、出現した。神戸市の合宿所で怒りをあらわにしていたのは、高橋信二内野手(34)だ。

 「あれだけ飯食って、飲ませてやったのに、電話もしてこない」

 糸井とは古巣日本ハムで7年間、ともにプレーした。同じ釜の飯を食った仲だ。衝撃のトレードから5日たつが、いっこうに携帯電話が鳴らない。同じく移籍してきた左腕八木はすぐにあいさつしてきたという。

 高橋信は自分のメンツだけで怒っているわけではない。新天地になれば、生え抜き選手以上に周囲に気を配る必要がある。「天然キャラ」で脚光を浴びているが、それで許してもらえるとは限らない。

 「新しい環境だし、誤解されることもある。日本でやる以上、人としても磨かないといけない。そういうものが備われば、完璧なんだけど…」

 糸井のことを思いやっての怒りだった。「これからは一切無視や!」。そう吐き捨てるように言ったが、オリックスでもお目付け役になることは間違いない。【田口真一郎】