実は、不安なことがあるんです…。日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18=花巻東)が意外な悩みを告白した。30日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷で自主練習を行い、明日2月1日からの沖縄・名護キャンプに向けて調整した。肉体的には準備万端だが、注目を浴びるのが苦手だとの本音をポロリと漏らした。ファンや報道陣から熱視線を浴びること間違いなしのキャンプで、試練を乗り越えられるか。

 純朴で真っすぐな18歳の青年は、闘っていた。大谷は悩んでいた。今日31日に人生で初めての沖縄入りを控えたこの日。「海は楽しみ。キレイかなと思います」と躍る心もあるが、1つの不安があった。ずっと抱え続けていたピュアな難題を、思い切って明かした。「いろいろな人に見られるのは、緊張すると思うんです」。真顔での告白に、切実さがにじみ出ていた。

 一息つき、また一難だ。前日29日に新人合同自主トレを終了。今季の12球団ルーキーでNO・1の注目を浴びながら故障なく完走し、「100点です。キャンプにいい状態で臨めそうです」と振り返っていた。連日、一目見ようと詰めかけるファンや殺到する報道陣に弱音は吐かなかったが、苦悩の連続だったようだ。「楽しみというのと、どうなるかという不安が両方あります」。やっと試練を抜けた先の未知の世界、プロのキャンプに緊迫感が高まってきた。

 激変した環境に、身を置いている。人の温かさにあふれ、のどかとされる東北の岩手でスクスクと育った。花巻東時代も注目され、甲子園にも出場した経験はある。それでも、ここまでの“熱狂”は初めてのこと。「(新人自主トレの)初日に比べて、気にならなく自分のペースでできるようになった」。ムードに慣れた実感はあっても、行く先の身を案じてしまう。

 周囲から人間性の評価は高いが、まだ高校生。この日は約70メートルのキャッチボールを行うなど、軽めの調整で本格始動するキャンプに備えても、澄んだ心は揺れていた。マイペースを貫くため、言い聞かせるように言った。「第2クールくらいから、先輩とかを見て学んでいきたいと思う」。大谷フィーバーが、ついに沖縄上陸。台風の目の好青年は、二刀流以外にも、スターの宿命と向き合う。【高山通史】