笑っていいとも!

 4年目を迎える野村謙二郎監督(46)が選手に「笑顔」を要求した。今日2月1日のキャンプインを前に、宮崎・日南市内のホテルでミーティング。「笑顔がないのは自信がないから」と持論を展開し、逆転の発想から笑顔でプレーすることで自信を深める狙いだ。32年ぶりに日南でスタートする春季キャンプに笑顔の花が咲くか。

 異変が起こるかもしれない。沖縄市野球場が改修工事のため、広島は32年ぶりに宮崎・日南からキャンプイン。環境の変化とともに、就任4年目を迎える野村監督が思い描く「キャンプ像」にも変化が起きている。濃紺のスーツに身を包んだ指揮官が求めたのは、厳しさ…ではなく、意外にもスマイル。狙いは明確だった。

 「明るくやりましょう。練習中の笑顔は構わない。笑えないのは自信がないから。失敗を恐れずにやるのが、成長の近道」

 根本的な問題だ。チーム全体で好不調の波が激しく、昨年も正念場の9月に6勝17敗1分けと大きく負け越しCS争いから脱落した。チームの雰囲気も悪くなり、勝負どころで1人1人が必要以上にプレッシャーを感じてしまい、萎縮する負の連鎖にはまっていた。

 古沢投手コーチも「勝負は相手に弱みを見せたらいけない」と「笑顔革命」に同調した。13年ぶりに現場復帰となるが、今の選手に感じる部分があるという。

 「今の子はヤジの仕方も下手くそ。なかなか、教えるのは難しいけど、まずは声を出していかないといけない」

 技術、体力とともに、声の出し方が、精神面を充実させることにつながっていくということだ。

 今年、最初の対外試合は注目度も実力も最高の相手。2月17日のWBC日本代表との練習試合だ。現状を把握するために、これ以上の相手はいない。野村監督は力を込めて言う。

 「ベストメンバーで戦わないと失礼。向こうはそうそうたる投手陣で、打てば自信になる。こっちも練習の手伝いではない。OBの山本監督に勝ちたい」

 代表候補の前田健、今村が広島の一員として登板する予定だ。この試合中にも笑っていられれば、もう怖いものはなくなるはずだ。シーズン最後に笑うため、鍛え抜くキャンプが始まる。【鎌田真一郎】