巨人ドラフト1位、菅野智之投手(23=東海大)がついにベールを脱いだ。1日、宮崎・青島キャンプで新人合同自主トレも含め、初めてブルペン入りした。原監督ら首脳陣も見守る中、緊張するかと思いきや、笑顔を見せる大物ぶりを発揮。7割程度の力で45球の立ち投げだったが、マウンドには好投手の証しである“スパイク痕”が残っていた。
こわばった表情が、あっという間に和らいだ。午後0時35分。菅野が小走りでブルペンに向かった。プレート後方で原監督から「調子はどうだ」と聞かれ、「まあまあです」と笑顔で答えた。軽めのキャッチボールで肩を慣らすと、徐々にボールの威力が増す。先輩捕手・実松の投球をもり立てる好リードもあって、何度もうれしそうな笑みを浮かべた。
新人合同自主トレ前の1月6日に、東海大で入って以来のブルペンだった。わずか15分間、45球の投球練習だけでも好投手の印象を残した。まずはプレート痕。右足のスパイクを引きずった線が、ホームベース方向に真っすぐに伸びていた。大半の投手は斜め前方に痕がつくことが多いが、右足に乗せた力をぶれることなく前方方向に伝えることができれば、スパイク痕は自然と真っすぐに伸びる。
その特徴は巨人杉内、ロッテ成瀬、西武涌井らと重なる。上体を開かずに投げている証拠でもある。菅野は「普段からプレートがある意味を考えている。真っすぐに強く蹴ることを意識している」と、習慣化してきた技術。球界を代表する投手と同じ傾向をマウンドにくっきりと残した。
痕跡だけではなく証言によっても裏付けされた。川口投手総合コーチは「本人は『まだ、全然です』と言っていたけど、直球のスピン量、威力は1軍レベル」と、大きくうなずいた。けん制球については、チームトップクラスの宮国を引き合いに出した。「宮国も速いけど、菅野も速いね」と合格点を与えた。実松も「バランス、回転、軌道、どれも良かった。普通は緊張するものだけど『楽しめた』って言えるわけだから持っているものが違うんじゃないですか」と絶賛した。
直球を軸にスライダー、カーブ、カット、ワンシームを試投程度に投げ込んだ。次回ブルペンは3日以降の予定。「体の調子を見ながらですが、第1クールで残り4日のうち、最低2回は入りたい。次は捕手に座ってもらって投げます」と余裕たっぷり。大物ルーキーがにこやかに滑り出した。【為田聡史】



