西武の09年ドラフト1位菊池雄星投手(21)が、3つの進化を示した。2日、1年前は初ブルペンだったが、フリー打撃に登板。打者4人に対して、52球を投げ、安打性の打球はわずか1本の抜群の投球だった。昨年との違いは「安定したフォーム」「ぶれない心」「締まった体」の3つ。渡辺監督に「余裕があった」と言わしめた強烈デモで、進化を証明した。

 初ブルペンだった日の1年後、菊池がフリー打撃のマウンドに立った。秋山、熊代ら4選手から漏れたのは「速ぇ!」。スピードガンに表示された最速は、144キロだった。52球を投げ、安打性の打球が1本だった結果も目を見張るが、その中身にこそ、進化の跡がしるされた。

 (1)安定したフォーム

 昨年は右足を大きく上げ、真上からダイナミックに投げおろす投球フォーム。荒々しく、威力も十分な半面、バランスを崩し、制球を乱す場面もあった。この日は52球中14球がボールだったが、ほとんどがゾーン内。「投げやすい場所」から気持ち良く、ボールを投げた。秋山も「自分のテンポ、リズムでバランスも良かった」と証言した。

 (2)ぶれない心

 高校時代はスリークオーターで投げたが、プロ入り後は腕の位置を何度か修正した。昨年は上投げでスタートも、オープン戦中に腕を下げた。今季は「杉本コーチと秋のキャンプからやってきたことを継続するだけ」と信念がある。同投手コーチは「去年は探りながら。途中で腕を下げたり、ぶれもあったけど、今年はこれでやるんだという気持ちが伝わる。心(しん)がある」と評価した。

 (3)引き締まった体

 一昨年のオフは1日6食をノルマに、90キロへ増量。ウエートトレの成果もあってか、渡辺監督に「馬のケツみたい」と絶賛されたが、大きくなりすぎた“サラブレッドボディー”は瞬発力やスピードに影響した。今季は野菜ダイエットに取り組み、既に5キロ減量。ウエートトレも継続させ、キレのある体を作り出した。

 進化を感じたのは、渡辺監督も同じだった。「期するものがあると思う。意気込みに表れているよね。今までは精いっぱいって感じだったけど、余裕がある」と評価した。「2ケタ勝たないと、監督を裏切り続けることになる。期待に応えられるように」。進化を結果で示す。【久保賢吾】