日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18=花巻東)の、非凡な打撃センスがお披露目された。2日、沖縄・国頭(くにがみ)で行われている2軍キャンプのフリー打撃で、“プロ初アーチ”を含む7本の柵越え(44スイング)。そのうち4本がバックスクリーン付近へのもの。強引に引っ張るのではなく、素直なスイングで中堅122メートルの奥深いエリアに次々と放り込んだ。今日3日には、今キャンプ初のブルペン入りが予定されており、今度は「投」でアピールする。

 スタンドからは自然に、歓声と拍手が起こった。2軍キャンプ地・国頭では異例の出来事だ。フリー打撃に臨んだ大谷の8スイング目。風にも後押しされた打球が、バックスクリーン右の芝生席で跳ねた。前日1日はなかった柵越えに、ファンは素直なリアクションで応えた。最終的には44スイングで7本のアーチ。「引っ張ってじゃなくてセンターに打てた。それはよかったです。継続してやっていきたいです」。納得の表情で手に残る感触を確かめた。

 本人も真っ先に口にした打球方向が、大器の片りんを物語っていた。7本中4本がバックスクリーン付近へのもの。しかも2本目のアーチは、左打者の大谷からは逆方向となる、バックスクリーン左への大飛球。中堅122メートルと一般的な広さの球場だけに、打撃投手を務めた田中2軍打撃コーチも「振り遅れかと思うのに、バットが出てくる。いいポイントで打っているから力が伝わる。バットコントロールもうまい」と目を見張った。

 さらに驚きなのが、狙いが「中堅打ち」にあるということ。前日のフリー打撃は投手との距離感がつかめず、突っ込み気味のスイングになって反省したが、夜間練習で下半身のため、ひねりなどをすぐに修正した。「そっち(中堅)方向にどれだけ飛ぶかが大事。引っ張ったら飛ぶので」。右翼方向に本塁打だけを狙えば、もっと柵越え本数は多くなる。だが、密度の濃い練習にするために、打席で考えながらスイングをしている。

 報告を受けた栗山監督は「思ったよりも体の状態が良さそう。(1軍昇格について)いい意味で考えないといけない。状況を見てだけど、稲葉とやったほうがいいと判断したら1回だけ上げるかもしれないし」と、早期の昇格を示唆した。今日3日には、今キャンプ初のブルペン入りも予定されている。高校野球では「ピッチングがいいとバッティングがダメだったりした」と言うが「それじゃあ(プロでは)通用しないと思う。どっちもいけるように」と表情を引き締めた。今度は「投手」として、ファンに、首脳陣に、アピールする。【本間翼】