正一塁手争奪バトルが勃発だ!

 ソフトバンクの新外国人ブライアン・ラヘア内野手(30=カブス)が2日、宮崎キャンプで初の屋外フリー打撃を行った。66スイングで左中間方向も含めて4本の柵越え。小久保裕紀氏の引退で空席となった正一塁手に向け、アピールを開始した。

 キャンプ初めての週末。1万8500人の観衆が集まった宮崎・生目の杜のメーン球場で、ラヘアがシュアな打撃をファンに披露した。「一番は気候が良かったことだね。このファンの歓声も力になったよ」。あいにくの雨だった初日は屋内でのフリーだった。この日は一塁を争う松中と同組で、心地よさそうに快音を響かせた。

 最初のうちはタイミングに苦労したが、13球目に右越えの“来日初アーチ”。これでエンジンがかかったのか、鋭いライナーを右へ左へと飛ばした。30球目には逆方向となる左中間への柵越えも放った。「自分の特長は広角に打てること。レフトへの打球は、自分でも手ごたえがあった。シーズンが始まれば、ああいう打球が増えるだろう」と自画自賛の一撃だった。

 カブスで16発を放った昨年は、対左投手の打率がわずか6分3厘だった。そんな左アレルギーも改善の兆しが見られた。左の岸打撃投手を相手にしたフリー打撃の後半は、33スイングで安打性の当たりが15本。藤井打撃コーチは「初日は左に差し込まれたけど、今日は右も左もうまく打っていた」と評価した。

 入団会見では3割、30発、100打点の高いハードルを掲げた。それでもフォア・ザ・チームを第一にする新助っ人は、頭の中でケース打撃を行っていたという。「後半はゲームでのシチュエーションを考えながら打っていた。例えばランナー三塁なら得点になるような打ち方をした」。ならば柵越えが4本にとどまったのも納得だ。「どう準備するかが重要。いい形でシーズンに入りたい」。正一塁手はオレだと言わんばかりだった。【大池和幸】