<オープン戦:日本ハム2-2ヤクルト>◇24日◇札幌ドーム

 道産子ルーキーが、強気の投球で未知の扉に手をかけた。日本ハムのドラフト3位鍵谷陽平投手(22=中大)が、ヤクルトとのオープン戦の9回に登板。メジャー経験もある岩村、WBCに出場した相川から連続で見逃し三振に奪うなど3者凡退に抑えた。「結果は出たので良かったです」。全14球中、11球が直球の力勝負。チームが本拠地を北海道に移して10年目で初となる、地元出身選手の開幕1軍入りをグッと引き寄せた。

 目標達成のため、しっかり準備を行ってきた。休日だった18日、都内にある眼科へ足を運んだ。きっかけは「京セラ(ドーム)で、(捕手の)サインが見えづらかったので」。10日のオリックス戦で登板した際、照明の暗さが気になった。もともと、視力が悪い。両目とも0・2を切っている。普段はメガネを着用しているが、試合ではコンタクトレンズを装着。1・2まで視力を上げていたが、予期せぬ事態を受け、対策に乗り出していた。

 「もう、バッチリ見えます」。新たなコンタクトレンズは視力を1・5まで引き上げた。ベンチからでも外野席の観客がくっきり見えるという。「何が起こるか分からないので、できることはやっておきたい」と不安を解消し、アピールにつなげた。

 栗山監督も高評価を与えた。「本当に良かったですね。力は1軍で発揮できる」と期待する。地元ファンからの注目度も高い。「それを力に変えて頑張りたい」と次なる目標の「1年間、1軍」へ向け、さらなる準備を進めていく。【木下大輔】