<ウエスタン・リーグ:広島4-0阪神>◇26日◇由宇

 ホーム開幕任せた!

 WBC帰りの能見がウエスタン・リーグ広島戦に先発し、7回6安打3失点(自責2)と好投した。93球で統一球の感覚も取り戻し、WBC準決勝プエルトリコ戦で被弾したショックを振り払った。4月2日のホーム開幕となる中日戦(京セラドーム大阪)へ準備万端だ。

 世界と戦った能見がショックを振り払った。山口・由宇に侍左腕の登板を一目見ようと、ファンが詰めかけた。「ピッチャー能見」のコールにスタンドが沸く。1回、先頭天谷に中前に運ばれ、上本の犠打で1死二塁。3番迎に左前に運ばれた。日本の統一球がなじまず、先制点を献上した。

 能見

 最初は滑るような感じがあった。ブルペンも(指に)かかっていない感じがあった。ある程度自分の想定の中だったので。

 だが、さすがの修正力で、すぐに感覚を取り戻した。2回から5回までは、鈴木誠の遊撃内野安打のみ。6回は1死二塁から迎を打ち取った当たりが中前適時打となったが、納得の投球。予定は6回だったが球数が73球と少なく、1イニング追加を直訴。7回はルーキー小豆畑と初めてバッテリーを組み、暴投で3点目を献上したが、最速は143キロを計測。6奪三振。うち4つはフォークで空を切らせた。7回93球を投げ、6安打3失点(自責2)ながら、収穫を得た。

 能見

 球数が少なかったので、もう1回行かせてくださいと言った。この1カ月、3イニング以上投げたこともなかったので。長いイニングを投げたのが大きい。その辺の不安材料はない。

 WBCでの登板イニングは8日台湾戦の2回2/3が最長だった。実戦登板は沖縄・宜野座キャンプ序盤の紅白戦1試合とWBC全6試合(強化試合含む)、この日の2軍戦の計8試合と少ないが、不安はない。納得の投球で、日本時間18日の準決勝プエルトリコ戦で痛恨の2ランを被弾したショックを拭い去った。

 由宇遠征に同行している山口投手コーチも「ゲーム数が少ないし、不安はないことはないやろうけど、一応の準備は整った。あと6日間で合わせて調整してくれたら」と信頼を寄せた。ホーム開幕となる4月2日中日戦へ、準備OK!

 「しっかり気持ちを持っていければ」。WBCでの悔しさを糧に、今季も先発陣の大黒柱としてフル回転する。【岡本亜貴子】

 ◆悪夢の被弾

 能見はWBCで3試合に登板。1次ラウンド(R)ブラジル戦で中継ぎ登板し1回を無失点。しかし、先発した2次R台湾戦では3回途中に押し出し四球、1失点で途中降板した。さらに準決勝のプエルトリコ戦では、救援で0-1の6回に登板。2イニング目の7回、リオスに2ラン本塁打を浴び、これが決勝点になった。計4回2/3で3失点。防御率5・79だった。