故郷のマウンドで晴れ姿を見せる-。宮城・仙台市出身の楽天斎藤隆投手(43=ダイヤモンドバックス)が、昨年12月、8年ぶりの日本球界復帰を決めた。右ふくらはぎ痛を抱えているため、現在は2軍で調整を続けている。29日の開幕は1軍ではないが、地元で迎えるシーズンに向け、その熱い思いを語った。
-8年ぶりの復帰。どんなシーズンにしたいか
斎藤
地元に帰ってくるのはもう23年くらい、時間が流れてますからね。プレーヤーとして少し年齢は高いですけど、40歳過ぎても直球でアウトを取れるような、そんなピッチングが出来たらなと思ってます。
-高校、大学もKスタ宮城(宮城球場)でプレーした。懐かしさは感じるか
斎藤
懐かしさはないですけどね。ここでプロとして仕事をするというのは、感覚的にも自分の新たな挑戦、そこは強く思ってるところです。今やるべきことは懐かしむことではなくて、とにかくどれだけ仕事ができるか。チャレンジャーとしてやっていきたいという思いが強いです。
-年齢を重ねても挑戦し続ける。なぜそう思うか
斎藤
自分が野球に対するケジメをつけるためには、まだはっきりとした答えは見つかってないですし、ここまで来た以上、もうどこまでいけるかやってみようと。今までも思ってましたけど、40歳過ぎて、パワーピッチャーとしてどれだけやれるか。まぁ究極の人体実験ですね。
-昨年引退した金本ら同年代の選手はわずかになった。野球を続ける上で思うことは
斎藤
僕1人ここにいることで、誰か1人(チームに)入れてないプレーヤーがどこかにいるわけで、そういう意識は強くあります。だからプレーに対しても練習に対しても、自分に厳しくなりますね。何をとっても妥協はできない。当たり前のことですけどね。
-東日本大震災から2年。まだ、思うような生活ができない人もいる中で、自身もケガで苦しんでいる。苦難を乗り越える姿が復興への道と重なる
斎藤
震災と野球をリンクするのは、いくら僕が東北の出身といっても、これはしてはいけないことだと思うし、震災をひとくくりにして話をするのは、これは本当に難しい。ましてや野球のようなスポーツにつなげて、お話しするのは本当に…難しいです。
-被災地で実際に感じたことは
斎藤
野球教室に行ったときも、両親を亡くした子どもたちがいたりするんです。野球は教えられますけど、彼らの心の傷を野球が本当に癒やせるのかどうかはわかりませんよね。彼らがどう考えるか、どう思うか、ということはね…。ただ、ひとつできることは、彼らが野球を愛してくれているなら、僕は野球を精いっぱいやっていこうと。それに報いたいという思いは持つことができるし、それをプレーに反映することは可能ですからね。
-シーズンへの意気込みを
斎藤
とにかくたくさんアウトを取りたい。1つでも多くアウトを取りたい。それがチームのためになり、チームの優勝につながると思うので。何とか、何としても、とにかく、目の前のバッターと勝負してアウトを取る。これが今自分の言える最高の目標です。今は残念ながら調整段階ですけど、いつかは必ずKスタ宮城のマウンドで、皆さんの前で、プレーできると思います。【取材・構成=斎藤庸裕】
◆斎藤隆(さいとう・たかし)1970年(昭45)2月14日生まれ、仙台市出身。東北高、東北福祉大を経て91年ドラフト1位で大洋(現DeNA)入団。06年にドジャースとマイナー契約し、同年4月にメジャー昇格した。最初のセーブ機会から48回中45度の成功を収め、大リーグ新記録を樹立。37歳で自己最速99マイル(159キロ)をマークした。09年レッドソックス、10年ブレーブス、11年はブルワーズに所属。188センチ、87キロ。右投げ左打ち。<取材後記>
ダンディーなイメージそのままに、渋く滑らかな口調で語ってくれた。一回り以上年下の私に対しても、常に敬語だった。インタビュー室に来るやいなや「長い間待たせてすいません。よろしくお願いします」。終始、謙虚な姿勢を崩すことはなかった。
久米島キャンプ中、大久保2軍監督が言っていた。「全体ミーティングで隆は『新人のつもりで頑張ります』って言ったんだ。あの年になって、そんなこと言えないよ。隆がどう生きてきたか、ではなくて、どう生かされてきたかが分かるよ」。どんなに実績があっても、周りと同じ目線に立つような発言に斎藤の謙虚な生き方が表れていた。
斎藤自身も周りの環境に恵まれてきたと感じていて、「これだけ野球ができているのは、感謝しかないです。いろんな人と出会い、経験させてもらいましたね」と話す。いつまでも謙虚に。自分もそうありたいと思った。◆斎藤隆の年度別成績◆92
大洋(22)6
0-2
0
21
8.4493
横浜(23)29
8-10
0
125
3.8194
横浜(24)28
9-12
0
169
3.1395
横浜(25)26
8-9
0
132
3.9496
横浜(26)28
10-10
0
206
3.2997
横浜(27)(1軍出場なし)98
横浜(28)34
13-5
1
101
2.9499
横浜(29)26
14-3
0
125
3.9500
横浜(30)19
6-10
0
97
5.5201
横浜(31)50
7-1
27
60
1.6702
横浜(32)39
1-2
20
46
2.4503
横浜(33)17
6-7
0
72
4.1804
横浜(34)16
2-5
0
37
7.7105
横浜(35)21
3-4
0
93
3.82日本通算
339試合
87勝80敗
48S
1284奪三振
防御率3.8006
ドジャース(36)72
6-2
24
107
2.0707
ドジャース(37)63
2-1
39
78
1.4008
ドジャース(38)45
4-4
18
60
2.4909
Rソックス(39)56
3-3
2
52
2.4310
ブレーブス(40)56
2-3
1
69
2.8311
ブルワーズ(41)30
4-2
0
23
2.0312
Dバックス(42)16
0-0
0
11
6.75米国通算
338試合
21勝15敗
84S
400奪三振
防御率2.34日米通算
677試合
108勝95敗
132S
1684奪三振
防御率3.53※左から年
所属
年齢
試合数
勝敗
セーブ
奪三振数
防御率【注】年齢はその年の満年齢。96年の206奪三振はタイトル



