<巨人6-4中日>◇6日◇東京ドーム

 笑うしかない。守道竜が巨人に連敗を食らった。強力打線にのみ込まれ13安打6失点。前日から2試合で5被弾とねじ伏せられた。しかも5日にKOされたエース吉見一起投手(28)が右肘痛で登録抹消とダブルショック。敗戦後はいつもカンカンに怒る高木守道監督(71)も、ここまでくればスッキリ?

 自虐ジョークの笑顔で悔しさを紛らわせた。

 あまりの負けっぷりに笑うしかなかった。ベンチ裏から出てきた高木監督はなぜかニヤニヤしていた。

 「あんないいバッターがおるのに、なんで使わんのや!

 クラークや!」

 途中出場した新助っ人クラークが3点リードされた8回に来日初アーチを放った。2点差に迫りはしたが、あまりにも見せ場が少なかった。自らの選手起用にだめ出し。守道流の自虐ジョークから、悔しさがにじみ出ていた。

 巨人に連敗は許されない。開幕から我慢してきた打線の改造に着手した。打撃不振の2番荒木を8番に据え、藤井を2番スタメンに。WBC疲れが残る井端も5番から6番に替えた。それでも巨人のルーキー菅野に3回パーフェクトに抑え込まれる。4回攻撃前には、ベンチ前に選手、コーチを集合させた。顔を真っ赤に手を上下させて熱弁を振るう。「秘密!」と内容は明かさなかったが、激しくはっぱをかけたのも実らなかった。

 エースの戦線離脱が、連敗ショックに追い打ちを掛ける。前日KOの吉見が1軍登録を抹消された。右肘痛は軽症と思われるが、最短でも再登録は16日。それまではエース抜きで戦うことになる。

 高木監督は「おじいさんがやってくれるよ」と30年目山本昌が代役とにおわせ、笑いを誘ってみたが、切れ味がない。「どっちにしても我慢してやっていくしかない。幸い、ゲーム数はある。うちはピッチャーでやっていくしかないんだから」。最後は我慢というフレーズを言い聞かせるようにつぶやいた。【桝井聡】