<巨人8-6中日>◇7日◇東京ドーム

 中日高木守道監督(71)はおとなしかった。宿敵に屈辱の3タテをくらったが怒るでもなく、ぼやいて“口撃”するでもない。敵地で得意の?

 前のめり采配も実らず、沈んだムードに包まれた試合後、ポツリと言った。「そんなに気を使わんでいいよ」。努めて平静を保つ表情は寂しげだった。

 4点を追う9回の攻撃では4連打で2点を挙げ、無死満塁まで詰め寄った。だが森野、小田が倒れ、祈る竜党もタメ息に包まれた。計22人が出場した超積極采配で、もはやベンチに使える野手はゼロだった。最後、堂上直も中飛でゲームセットとなったが、もし出塁していれば次打者は投手田島。より打撃のいい投手の中田賢を代打で準備させていた。事実上、弾切れだった。

 大事には至らなかったが足に異常を訴えた谷繁、井端を交代させていたことも響き、8回は「おらんのやもん」と、森野が5年ぶりに二塁を守らせるドタバタだった。

 狭いとはいえ、東京ドームで巨人に3戦計8被弾。「ピッチャーしかない。一にも二にも投手陣」。浮上には「打たれるとこに投げとるんやもん」と総崩れの投手陣の奮起が必要と力説。地元に戻って借金3から出直す。【八反誠】