ソフトバンクのドラフト1位ルーキー東浜巨投手(22)が「オレ流調整」でプロ初マウンドに挑む。プロでは珍しい前日ブルペン投球の調整法を貫き、デビュー戦に決まった11日オリックス戦(ヤフオクドーム)に向かう。開幕ローテから落選したものの、状態をあげてきた右腕が、いまひとつ乗り切れないチームの起爆剤となる。

 ソフトバンク東浜が、いよいよデビューする。待望の舞台は、11日オリックス戦(ヤフオクドーム)だ。高山投手コーチが「東浜は木曜日(11日)です。ブルペンで見て、肘から先のしなりを感じたし、だいぶ仕上がって来ている」と黄金ルーキーの初マウンドを明言。開幕ローテからは外れたものの、満を持しての登場だ。

 8日の朝、東京から福岡に戻った東浜は、ヤフオクドームでキャッチボールやダッシュで調整。投球フォームを入念にチェックした。「ブルペンはあさって(10日)に入ります。球数はその日の状態を見てですが」。これまで通り、試合前日にブルペン入りする。

 プロでは登板前日にピッチングを控える投手が多い。二刀流の日本ハム大谷は打者を優先するためにブルペン入りを制限。阪神の高卒ルーキー藤浪も開幕直前にブルペン回数や球数を調整するなど、金の卵たちでもプロのやり方に合わせて来た。その中で、東浜はオレ流を貫く。亜大時代は連日200球を投げ肩をつくった。ここまでオープン戦登板前日には必ずブルペン入りし50球前後投げてきた。

 高山投手コーチは「(東浜)本人が『今回までは前日ブルペンでやらしてください』と言ってきた。本人が一番いい状態でマウンドに上がれれば」と、直訴を認めた。東浜はキャンプでも飛ばしてアピールする周囲に流されなかった。「楽しみな気持ちが一番。(前日は)ワクワクして眠れない」と笑顔を見せた。ブレない東浜が最下位に沈むチームの救世主になる。【石橋隆雄】